2024年1月23日火曜日

『メコン、4525km』


『メコン、4525km』(管洋志著、実業之日本社、2002年)は管さんらしい、熱い写真がいっぱい詰まっています。


やはり、源流から旅を始めています。


この写真では遠くにメコンが光っています。
メコンから離れた人々の生活写真もたくさん掲載されていますが、川のある写真に限ってみました。



ラオスのルアンパバーンでしょうか?


この本は、写真の説明は特にないのですが、北タイで象を洗っているという文があったので、これはメコンの支流のコック川あたりではないかと思います。コック川流域には象を飼っている人たちが住んでいて、よく川で水浴びをさせています。
この辺りの山を何度か象に乗って上ったり下ったりしたことがありますが、真上から見ると象の頭は毛がちらほら生えた三角形で、とても間抜けていて、かわいいのです。


ラオスのカンボジアとの国境近くにあるコーンの滝です。
管さんはパクセを出て途中で一泊していますが、私はカンボジアにいたとき、休暇を利用してパクセからコーンの滝に日帰りしたことがありました。
タイのウボンからバスで国境まで行き、渡し船に乗ってパクセに行き、ヴィエンチャンから車で来たTさんとMさんとパクセで落ち合いました。そして次の日、目的のコーンの滝へと行ったのです。
帰りはとっぷりと日が暮れ、家一つない、明かり一つない無舗装道路を走りながら、それまで運転してくれていたTさんのスピードが、極端に落ちました。
「どうかしたの?」
と訊くと、近眼のTさんは、夜は鳥目(?)になって、とても運転しづらいというのです。Mさんもかなりの近眼で厚い眼鏡をかけていて、夜は運転できないと言います。ここは私しかないと運転を替わりましたが、思ったより大変でした。道路わきに見えるものなど何もなく、道は闇に消えていて、突然せりあがります。というのは、川(メコン支流)に架かる橋は、下を船が通れるように太鼓形になっているのです。それが橋が近づくまで全く見えず、立ちはだかるように出てきます。行きかう車もまったくなくて、日帰りするにはちょっと無理がありました。


さて、コーンの滝近くで、メコンオオナマズが捕れて村人たちが大騒ぎしているところに出っくわした管さんは大興奮、メコンオオナマズは2メートルもあったそうです。


かつて、フェリーも列車も満員でしたが、今はどうなっているのでしょう?
これは、カンボジアとヴェトナムの渡しでしょうか。


カンボジアの、雨季には農民から漁民になる人々の家が遠くに見えています。


豊かなマングローブ林は、メコンデルタ、ヴェトナムの汽水域です。


管さんにもマイケル・ヤマシタさんと同じ場所を撮った写真がありました。

今でも、アジアへの愛を熱く語る声が聞こえてくるようですが、管洋志さんは、惜しくも2013年、67歳で他界されました。




 

2 件のコメント:

  1. 昨日の氷河の写真に驚いて、メコン川をグーグルマップで辿りましたが、いくらスクロールしても全然水源に辿り着きませんでした(笑)。普通川の上流は幅が狭いはずなのに、メコン川は川幅が自在というか変化に富んでいて、とても不思議でした。チベットから流れ出ているなんて全然知らなかった!

    返信削除
  2. hiyocoさん
    川の長さなんてどう測るのですかね?氷河だったら「源流はここだ!」と決めきれない気もするし、あんなに幅の広い川だったら、測り方によって長さが違ってくる気がするし、手元にある本の記載だけでも4200㎞、4400㎞、4525㎞といろいろ違います。
    ただ、海を見るのとまた違って、「おおっ!」と打ち震えることは確かです(笑)。

    返信削除