2024年5月2日木曜日

福建省の籠


中国の福建州でつくられた青竹の籠です。


ダイナミックにうねるように編まれています。


底はカゴメで六角に編んで、ぐるりと1本芯材を入れて、そこからはなんと表現したらよいか、底材が1本おきに胴の経材(たてざい)と緯材(よこざい)になって、斜めに立ち上がっていく感じに編まれています。


芯材を入れたので、底から胴へと移るところが突起して台となっているので底が傷みにくく、置いたときにとても安定します。
こんな形に台をつくった籠は、初めて見ました。

やはり底を六角形に編んだ日本の籠の、底から胴へと立ち上がる部分と比べてみました。
といっても、我が家にある底が六角形の籠はどれもすず竹(竹類ではなく笹類)の籠で、真竹系の竹で編んだものではありません。


この2つは、補強のために、あとから別の材を角にぐるぐると巻きつけています。


角の部分に別の材を巻きつけた籠に似ていますが、この籠はただ巻きつけるだけでなく、芯材を入れて、芯材を別の材で巻きながら留めています。


何の補強もしてない籠もあります。


補強してない籠は、とくに荒い籠目の籠は弱いもの、角あたりから壊れていきます。
もっともこの籠は、半世紀以上前に買ったものなので、長持ちしていると言えば長持ちしています。


縁の始末も躍動的、竹の節の部分は薄く削ったりせずそのままなので、ごつごつしていますが、味にもなっています。
市場で売るためにつくっている籠なので、量産しているのでしょう、確かな技術を持った籠師さんが、手早くつくった籠に見えます。


写真は、東南アジアで、中国からの移民たちによってつくられ使われていた、中国籠ตะกร้าจีน、タクラー・チーン)です。
これも、福建省出身の籠師さんたちの仕事でした。





 

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