糸島に行ったとき、長崎県に住む元同僚のHさんと福岡県に住むTちゃん夫妻が会いに来てくれ、2時間ほど話をしました。
その折に、Hさんからはエチオピアで見つけた飛び切りおいしいというコーヒーをいただき (自分で焙煎したとか)、Tちゃんからは、カンボジア土産のヤシ砂糖をいただきました。
Tちゃんは福岡県に住むためにずっと昔に退職していましたが、退職後、地元でグループをつくり、国際関係理解の勉強会を催したり、国際協力のためのイベントを開いて資金集めをして、カンボジアやエチオピアのプロジェクトなどを支えてくれていました。そのカンボジアのプロジェクトは終了しましたが、どうなっているのかとこの夏、夫妻でカンボジアを訪問、そのおり手に入れたというヤシ砂糖でした。
これまで、村でつくった固形になるまで煮詰めていない、どろっとしたヤシ砂糖は何度ももらう機会があって楽しんでいましたが、固形にしたヤシ砂糖は久しぶりでした。
ココヤシ、ニッパヤシなどからも砂糖をつくることが出来ますが、カンボジアでもっとも一般的なヤシ砂糖は、パルメラヤシの砂糖です。そして、包装にもよくパルメラヤシの葉を使います。
とてもきれいに包んであるので、包装に使われた葉をこのままの形で残したいと思い、ちぎれないように、一方の紐を解きました。
そして、内側の包みをそっと引っ張り出しました。
久しぶりの、固形のヤシ砂糖とご対面です。直径は2センチほどの小さな砂糖が10個入っていました。
包装に使っていた葉は、なんとか元の姿に戻すことが出来ました。
ヤシ砂糖をつくる工場といったものはなく、ほぼ家庭単位の生産にゆだねられていますが、高い木に登って樹液を採取するのに危険が伴うことや、たくさんの薪を使って長時間煮詰めなくてはならないことなどから、生産者は減っていると思われます。
かつて、タイ、ラオス、カンボジアなどでは、お菓子つくりにヤシ砂糖は欠かせませんでした。しかし、生産効率のよい、したがって安いキビ砂糖に押され、今ではお菓子づくりにもキビ砂糖を使うことが珍しくありません。
ヤシ砂糖は風味があっておいしい。なんとか存続して欲しいものです。
長く我が家にいる、お菓子の包装だったパルメラヤシとの色の比較。陽に当てたりしてないのに、前からある容器たちは完全に緑色を失っています。
ヤシ砂糖は花序から作られるというのがピンとこなくて、動画(タイとカンボジア)でやっと理解できました。樹液じゃなくて花序の先端を切って出てくる液体から作るというのが面白いです。以前春さんが言っていたように、どの木にも花のあるてっぺんまで登る用の梯子が設置されていました。
返信削除砂糖の原材料って、サトウキビの茎、甜菜の根っこ、ヤシの花、カエデの樹液と色んな種類があって、人々は知恵を絞って手に入れたんですね。興味深いです。
hiyocoさん
返信削除サトウキビは噛んでも甘いから砂糖が採れるのは素直にうなずけますが、ヤシから砂糖を採るというのはよく考えついた気がします。しかも、プノンペン近郊の村では酸化させないように、筒にフタバガキ科のチップを入れていたりしていたから、人の知恵ってすごいですね。
人参糖とかかぼちゃ糖も採れそうな気がしますが(笑)。