2025年3月2日日曜日

酒袋

しばらく前から酒袋を探していました。
酒袋とは、もろみを入れてお酒を絞るときに使われてきた袋のこと、袋の耐久度を増すために手織木綿(帆布)を使い、柿渋に浸けて、防腐・防虫効果を出していたものです。


というのは、リネンでできた古いフランスの作業着を持っていて、日常的に着たいのですが、下に重ね着をしていると腕のつけ根あたりがきついので、袖をもっとたっぷりさせたいと思ったとき、この厚手の手織り布に対応できるのは酒袋くらいしかないかと思ったのです。
酒袋1枚では足りないので2枚欲しいのですが、何分にも使い古して破れているものが多く、なかなか見つかりませんでした。


と、骨董市で水屋さんのお連れ合いが2枚持っていらっしゃいました。
1枚は無傷ですが、1枚は大きく破れていました。以前も同じような2枚を見たことがあって、それなら1枚でも買っておけばよかったと後悔しましたが、ぼろぼろの方も繕い方が素敵だったので何とかなるかもしれないと、2枚ともいただいてきました。


あちこちぼろぼろです。


繕った後も使われたのかどうか、繕い方はお見事です。
破れた方は取って置いて、ずっと前に買った別の酒袋を使ってはどうかしらと出してみました。


久しぶりに見たこちらは、さして使わないうちに酒絞りが機械化されて使わなくなったものか、柿渋の色がしっかり残っていて、白いシャツに柿渋色の袖下でさえどうかと思っているのに、普段着とはいえ左右の色が違うのどうでしょう? やっぱり破れているのを使うべきでしょうか? 


酒袋の方はただ裁つとして、作業着の方は解かなくてはなりません。ミシンと手縫いを合わせて、固くがっちりと縫ってあります。
解いている途中で放り出して縫うところまでたどり着けないくらいなら解かない方がいい。ここも思案のしどころです。


と、迷いながらも解きはじめています。






 

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