2010年2月16日火曜日

一対のお坊さま



二つ石蹴りを買おうとしたら、「残った石蹴りが寂しがるから」と言われて、三ついただいてしまったというを書いたら、タイのバンコクに住んでいたころ、お坊さまを買ったときのことを思い出してしまいました。

30年も前でしょうか、友人と二人で待ち合わせて食事し、ぶらぶらと骨董屋さんをのぞいていて、木彫りのお坊さまを見つけました。
仏陀はよく見かけますが、お坊さまは初めて見ました。しかも、当時は鎖国状態にあったビルマのものでした。当時ビルマのものは、めったに見かけませんでした。どんな密輸ルートでくるのか、タイのものに比べて、値段も安くありませんでした。といっても、目の飛び出るほどの値段ではなく、まあ、私にとっては高いというほどのことですが。

欲しい、幸いお財布にお金はある、ということで、私と友人は、お坊さまを一体ずつ購入しました。
ところがその夜、なかなか眠れません。戦乱、鎖国など、さまざまな困難な状況を、一対そろって、なんとか生き延びてきたお坊さまを、今さら、私たちが離れ離れにしてもよいのか、という考えが、わきあがってきたのです。
次の朝、さっそく友人に電話してみました。そうしたら、友人も同じ考えで眠れなかったということでした。というわけで、執着心の強い私の方が二体とも譲り受けることになり、お坊さまたちは、我が家にいらっしゃったのです。高さは16センチほどです。




仏陀は、もう少しビルマが門戸を開いてから、バンコクで見つけたものです。





チェンマイで出会った仏陀もあります。大きいもので高さ23センチ、小さいもので10センチほど、お寺ではなく、家庭でお祀りしていたものでしょうか。




ビルマだけでなく、中にはランナータイ(北タイ)のものもあるかと思います。
もともと、国境線のなかったころ、北タイとそれに隣接するビルマの地域には、同じ人々が住んでいたのですが、それぞれの地で、長いあいだ文化を継承する中で、小さな違いが出てきています。

お坊さまも、仏陀も、すべて金箔を貼ったり、金色に塗ったりしていたものと思われますが、はがれたりして、下の黒い漆が見えています。

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