2010年3月24日水曜日

張子の動物 ビルマ



ビルマに行ったとき、ラングーンのお寺で、縁起物の張子のフクロウを見たときには、嬉しくなりました。張子と出会うなんて、考えてもいなかったからです。




そして、マンダレーに行ったら、狂喜しました。素敵な張子の動物たちが、お寺の境内にぶらさがっていました。ラングーンで買ったフクロウが、瞬く間に色あせて感じられたほどでした。
この象は大きくて、高さが30センチもあります。

張子は、木で型をつくり、それに手漉きの紙をぬらして貼り、紙が乾いたら、切り開いて中の型をはずし、開いたものをまた張り合わせてつくります。
達磨のような単純な形なら、二つに割るだけで、中の型を取り出せます。しかし、象のように鼻、足、しっぽなどがあると、切り開くときに、たくさんのパーツに切り分けないと、中の型は取り出せません。
とても手がかかりそうです。




犬もいました。足の長い、スマートな犬です。




馬もいます。




馬を前から見ると、左右対称ではありません。もし木で型をつくるとしたら、ゆがんだ型をつくるでしょうか?それとも、木の型は部分だけで、あとは別の方法でつくっているのでしょうか?




牛も素敵です。あのあたりで見かける、背中にこぶのある牛です。




牛を前からみたところです。前足がそろってないところが、なんとも雰囲気を出しています。




これは、マンダレーの別の寺院の牛です。そのお寺ではフクロウと牛だけ売っていました。
色使い、形など、前の牛とは、ちょっと雰囲気が違います。



前から見たところは、なかなかの太っちょさんです。
あのあたりの牛は、草と藁だけ食べていて、いつも餌が不足しています。そのため、こんなにふっくらとはしてなくて、あばら骨が見えて、がりがりに痩せているのですが。

たくさんの張子を手に入れ、ぶら下げて歩いていたら、町で男の子に、「張子をちょうだい」と声をかけられました。
「あなたは、ここに住んでいるのだから、これから買えるチャンスがあるでしょう。でも、私はあなたにあげちゃったら、もう二度と手に入れられないのよ」
そんな理屈を言って、欲張りの私は断ったのですが、そのときの男の子は、あれから張子を手にできたでしょうか?
もう、30年も前の話でした。


2 件のコメント:

  1. マンダレーの張子、いいものばかりですね!
    僕もパゴダ巡りには一応行ったことがありますが、すでに近代化が進んでおり、
    やたらビカビカのピッタインダウンだらけで、馬や虎もあるにはありましたが、
    持って帰りたくなるようなものではなかったです。
    ラングーンのふくろうも、
    親子タイプのすすきみみずくを思わせるような、豊かな玩味がありますね。

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  2. 茶々丸さん
    当時ビルマは寂しいところでした。マンダレーの宿は雨漏りがしていて、布団がびっしょり濡れていて、なかなか寝付かれなかったのを思い出します。
    でも、1週間のビルマ旅、たくさんの張り子をぶら下げて、嬉々としてバンコクに帰りました。1981年のこと、新しいビルも何もなく、しかしたくさんの人と出会って楽しい時間を過ごした旅でした。
    パガンでサンドイッチを注文したらなかなか出てこない。どうしたのかと訊いたら、「隣町まで自転車でパンを買いに行った」との答え。2時間ほど後にやっとサンドイッチにありつけたという漫画のような経験もありました(笑)。
    当時、パガンには自動車がなくて、馬車で寺院を回りました。

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