2010年7月8日木曜日
プージャの飾りもの きびがら細工
インドでは、お祭りが盛んです。
なにせ、神様がたくさんいらっしゃいますから、神様の数だけお祭りをしていたら、一年があっというまに過ぎていきます。さらに、広い国ですから、地方、地方の神様もいらっしゃって、地方、地方のお祭りもまた、盛んです。
お祭りの中でも、ダシャラー、別名ドゥルガー・プージャは最大のお祭りです。
粘土でつくり、彩色をほどこした等身大、あるいはもっと大きなドゥルガー女神や、ドゥルガーが変身して戦っている像などが、あちこちに祀られます。そして、お祭りが終わると、像は惜しげもなく川に投げ込まれます。
像は泥でできていますから、そのうち自然に還るのですが、浅い川の中で、しばらくは上半身を見せたり、傾き掛かったりしています。
川のほとりを通りかかったとき、鮮やかな色彩の、溺れようとしている神様に、リアルな顔でキッとにらまれると、ぎくっとしてしまいます、
さて、その昔、きびがら細工というものがありました。
トウモロコシ(トウキビ)の芯を着色し、何本か束にして売っていて、おもちゃというより、教材のよう なものでした。軽くて、ナイフで簡単に切れましたが、もろくて、つなぎ合わせるのも難しく、すぐ壊れました。
そのきびがらを使って、自分にしろ、友 だちにしろ、なにか素敵なものをこしらえたという記憶は、あまりありません。
日本 では、すっかり廃れてしまったきびがら細工ですが、インドでは現役です。きびがらで、プージャ(神への礼拝、お祭り)の「飾りもの」をつくります。
インドのきびがらは、トウ モロコシではなく、ジュートの芯です。プージャが頻繁にあるので、飾りものつくりの職人さんも、それなりに忙しい日々を過ごしている、と思われます。
プー ジャの時期、街では、家々の入り口や窓に、このきびがら細工が飾られて、だんだん気分が盛り上がっていきます。家だけではなく、車にもマリーゴールドの花 輪とともに、きびがら細工の飾りが、ぶら下げられます。
きびがら飾りは、きびがらを細く割ったものをたくさん用意して、タコ糸でぎゅっと 真ん中を縛って形を整えて、丸く刈り込んでつくります。つまり毛糸のぽんぽんをつくるのと、同じ要領です。そういえば、毛糸のぽんぽんも、すっかり見なく なりました。
き びがら飾りの中には、つくる人によって、よくできたものも、よくできてないものもあります。
これは、丸く刈り込んだあと、赤い染料を入れておいた お皿の中を転がしたのでしょうか、先端にちょっちょっと赤い色がついていて、可愛らしく仕上がっています。赤、青、黄色の色使いも素敵です。
車 の中につるすためのきびがら飾りです。ぽんぽんのサイズが小さい分、目が詰んでいて、家の飾りには小さすぎますが、いい感じです。
お祭りがすんだら捨ててしまう飾りものを、それにしても、欲張って、たくさん買ってきたものです。値段はただみたいでしたが、かさばって、壊れやすいので、運んでくるのが大変でした。
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