2010年10月24日日曜日

持ち手のある中国籠たち





持ち手に飾り編みのついていた、三段重ねの籠です。直径は35センチほど、シンガポールの、竹籠屋さんの店先にぶらさがっていたものです。
タイ、ラオス、カンボジアなどで見かける中国籠のように、慶弔時に、ご馳走やお供え物を入れて運ぶ籠です。中国籠とは趣が違いますが、よく見ると、類似点もたくさんあります。




細いひごの縁巻きがそっくりですし、蓋のつくり方もそっくりです。
タイでは、中国籠は、福建省出身の人たちがつくっていましたから、この三段重ねも福建省スタイルなのでしょうか?
タイ、ラオス、カンボジアなどでは、中国籠をつくる移民一世が亡くなるころには、その籠を使う生活習慣もなくなるといった具合で、新しい作り手は育ってないようでした。タイ、ラオス、カンボジアより中国色の濃いシンガポールでは、籠を編む後継者も、使う行事も残っているかもしれません。




こちらは、香港で買った二段重ねです。お弁当籠でしょうか?直径20センチほどです。
中国、ヴェトナム、シンガポールなどに、似た感じの鳥籠があります。
しかし、二段重ねは鳥籠ではないのですから、中が見える必要はないのに、どうしてこんなに手間のかかるつくり方をしているのでしょうか。竹を六角形に曲げて、その中を、細いひごを通しています。
ヘソのような丸いところも、竹でできています。




鳥籠なら、身も蓋もないので、開閉のたびに六角形の角を合わさなくてもいいのですが、これは、蓋を外したら、はめなおさなくてはならないので、より完成度の高さが求められます。
身が二つ、蓋が一つの六角形は、はずしても、きっちり合います。もっとも、蓋は、たった一方向でしかしかきちんと合わせることができませんが。

丸いへその部分から編みはじめたのではないかと思うのですが、広がった竹ひごを、どうやって次の輪に通していったのか、考えるだけで、頭が痛くなりそうです。
もちろん、竹籠屋で買ったので、信じられないような安いお値段でした。



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