タイでは、お祭りや、芝居や映画がまわってきたとき、空き地や道の脇に、突如即席の遊園地があらわれました。
昼間の熱気が残っている喧騒のなか、きらめく照明の下で、小さな観覧車や、メリーゴーランドが勢いよくまわります。
あるとき、まだ小学生だった息子たちが、観覧車に乗りたがりました。乗ると、お兄さんが作動のスイッチを入れ、観覧車がまわりはじめます。
日本の大きい観覧車に乗ると、一まわりだけするのが普通です。しかし、タイの小さな観覧車は何回もまわります。
最初は、「ラッキー」と喜んでいた息子たちも、10回くらい回った頃から不安そうな顔になりました。次のお客が来るまででしょうか、観覧車はいつまでも止まりそうにありません。
この様子を見ていて、とうとうお兄さんにお願いして、止めてもらいました。青い顔で降りてきた息子たちは、それからタイに住んでいた間じゅう、二度と観覧車に乗りたいと言いませんでした。
そのときの小さな観覧車を彷彿とさせるような、メキシコの観覧車のおもちゃです。
右側についているハンドルを回すと、くるくるまわります。
サンドペーパーを当てて、木をきれいに磨いたら全然別のものができるのにと思いますが、切れないのこぎりで切ったまま、ささくれだっているのもかまわず色を塗ってあるのが、メキシコの木のおもちゃです。
もともとはもっと鮮やかな色をしていましたが、褪せてしまいました。
つくりは精巧とは言えませんが、部品の数は多く、手は込んでいます。
観覧車に乗っている子どもたちの歓声が聞こえてきそうです。
これで遊んだ子どもたちも、きっと歓声をあげたことでしょう。
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