2011年7月12日火曜日

磁器人形



一言で陶磁器と言います。
もしかしたら、陶器と磁器の区別がつかない人もいるかもしれません。
陶器は土を焼いたものであるのに対し、磁器は砕いた鉱石を焼いたもので、かつては、陶器のようにどこでも誰でもつくれるというものではありませんでした。

日本の磁器は、豊臣秀吉の朝鮮戦争のおり、技術を持った彼の地の人たちを捕虜として連れ帰り、佐賀県(鍋島藩)で鉱石を探し当ててつくりはじめられたものです。
その技術は長い間門外不出で、磁器職人たちは一生その村から出ることができず、また、外部者も村に入ることはできませんでした。

明治に入って、欧米諸国との貿易がはじまると、磁器は輸出品の花形となりました。




そんな磁器でつくられた人形があります。
郷土玩具の土人形に関する文献が多いのに比べると、磁器人形に関する文献はまったくありません。

磁器人形は土人形に比べると、型(鋳型)が精巧にできています。型にゆるい磁器液を流し込んでつくったのか、厚みは、土人形に比べると極めて薄く、軽くできています。
しかし彩色に関しては、吸水性のある土を素焼きしたものに胡粉を塗った、土人形の下地より扱いにくかったようで、大まかで、色も乗りにくかったようです。

磁器人形は、海外向けにつくられていたものが、戦争などの影響で、国内に販路を求めたものでしょうか?それとも、もともと国内向けにもつくられたものでしょうか?




もっとも我が家に長くいる磁器人形は、たすきを掛け、旗を持った小さな少女です。ずっと昔、友人Nにもらったものです。
小さいながら、型は実に精緻にできていますが、色は黄色と黒しか使っていません。染料が手に入らない時代につくられたものなのでしょうか?




貯金玉の水兵さんも、時代を色濃く写しています。銀色の靴を履き、金色(だったと思える)の旭日旗を持っています。
敬礼しているのでしょうが、私は、猫ではないものが招いている、「招き○○」の一部、「招き水兵」として求めたものでした。




上の二人に比べると、優しい女の子たちです。犬を抱き、足元にはうさぎがいます。
でも、その帽子といい、服装といい、しっかり時代を映し出しています。
磁器がとっても白いし、骨董市で下の写真の女の子と一緒に箱に入っていたのを見つけましたから、デッドストックだったのかもしれません。




こちらのエプロン姿の女の子は、足元にうさぎがいます。




型は、後ろも丁寧につくられている、磁器人形たちでした。

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