2011年12月24日土曜日

再び岩波少年文庫





息子が本を送ってきました。
スタジオジブリで非売品としてつくった『岩波少年文庫の50冊』に加筆した、宮崎駿の、『本へのとびら』です。

結局、豆本『岩波少年文庫の50冊』は手に入らなかったので、嬉しいプレゼントでした。
豆本はちらっと見せてもらっただけ、50冊の本の名前は知っていましたが、その「評」の内容のほとんどは知りませんでした。
今回、『本へのとびら』に書かれている「50冊」の「評」を読んでみると、宮崎駿が推薦しながらも、その本(とくに、私が疑問に思っていた本たち)の持つ限界も書いてありました。

例えば金銀財宝を求めて、無益な戦いを繰り返す『ホビットの冒険』が50冊に入っていますが、私だったら推薦しないと思っていました。
訳者の瀬田貞二は大好き、訳も申し分ないのですが、金銀財宝を取り合いすることに加え、完全な悪者がいるのも、時代が違ってきているとはいえ、はなはだ不愉快でした。
でも、『本へのとびら』を読むと、この本にヒントを得たゲームやファンタジーが大量生産され、『ホビットの冒険』が消費しつくされたことがわかりました。

うらやましかったのは、宮崎駿が少年時代に多くの本に出会ったことです。
私の場合、教育熱心な祖母に、学習参考書以外の本を買うことは禁じられていました。
やむなく学校の図書館の本を読もうにも、偉人の伝記のようなものばかり。しかたなく、旧仮名遣いの夏目漱石(祖母の甥の遺品)など、家にあった本を隠れるようにして読んでいました。

だから、子ども時代に読んだ児童書と言えば、当時離れて暮らしていた母が、祖母に叱られながら買ってくれた、『小公子』と『ノンちゃん雲に乗る』くらいしかありませんでした。

『クマのプーさん』や、『星の王子さま』を読んだのは学生時代になってから、ほとんどの岩波少年文庫は、子育て時代に、息子たちに買ってあげるふりをしながら、自分で読んだものです。






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