2012年3月14日水曜日

赤ちゃんの友


小さいころ、赤ちゃんを見る機会がたくさんありました。
従妹たちや遊び友だちの弟妹たちだけでなく、お使いに行って、普段は上がったことのない家で、生まれたばかりの赤ちゃんを見せてもらうこともありました。

赤ちゃんの生まれた家には決まって、セルロイドの起き上がりこぼしがありました。
ちょっとつついただけで、ころんころんと、やわらかいオルゴールの音を響かせます。

セルロイドの起き上がりこぼしはどうしてあんなに大きかったのでしょう?身体にハンマーとそれに打たれる鐘を内蔵しているので(たぶん)、よい音を出すためには、ある程度の高さが必要だったのでしょうか。
小さくても25センチくらい、中には40センチを超す巨大なものもありました。
これは27センチです。


息子たちが小学生のころだったでしょうか、おもちゃ屋さんで見つけた、小さな起き上がりこぼしは、プラスティック製で、オルゴールはついていません。
手のひらに乗る大きさですから、ごっこ遊びのおもちゃとしてつくられたものかもしれません。


赤ちゃんのいる家にはまた、天井から極彩色のセルロイドのオルゴール(天吊りメリー)がぶら下がっていました。大きなものは高さが一メートル以上あって、ねじを巻くと、周りにつるした軽い飾りが、遠心力で広がりながら回り、ぽろんぽろんと音をたてます。

起き上がりこぼしと吊りオルゴールは、当時は赤ちゃん誕生の贈り物の定番でした。
さらに、円筒形の、やはりからんこらんと鳴るがらがらを加えた、三つのオルゴールを持っていない赤ちゃんは、見たことがないくらいでした。

可燃性が強いセルロイドのおもちゃ使用が禁止されたからか、誕生の贈り物をするしきたりが薄れたからか、三つのどれも見かけなくなって久しい時が過ぎました。
  

さて、息子たちが使った赤ちゃん用のベルです。
アメリカで暮らしていたころ、学生時代の同級生がアメリカ人と結婚して、偶然すぐ近くに住んでいました。長男より少し大きい男の子がいましたが、もう使わないからとくれたものです。
このベルは、ベビーベッド(クリブ)にとりつけて使います。


取りつけるのは、こんな感じ。

 

真中にぶら下がっている木ビーズを赤ちゃんが引っ張ると、左右の玉が金属と木のベルを叩きます。


このベルは、息子たちが育ってからは、妹のところに回って、妹の子どもたちを楽しませてから、帰ってきました。


息子たちが小さい時の写真です。二人仲良く、ベビーベッドに収まっている上に、ベルが設置してあるのが見えます。



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