2012年3月15日木曜日

おもちゃづくし


浅草助六のミニチュアの、おもちゃ屋さん。
並んでいるのは、江戸のおもちゃたちです。

後ろの棚には、ダルマ、とんだりはねたりが二種類と鳩笛が乗っています。そして緋毛氈を敷いた台には、狐のお面、こけし、帆掛け舟、水鉄砲、虎張り子、刀、犬張り子、獅子舞の獅子、木槌と金槌、独楽が並んでいます。
棚の両脇に置かれた竹筒には、風車、でんでん太鼓、纏が挿してあります。そして、傘には、お面、太鼓、烏帽子がつるしてあります。

助六には、いろいろなお店のミニチュアがありますが、おもちゃ屋さんのかわいさは群を抜いています。母も、叔母などへの贈り物にするために何度か買っていましたし、夫の母も同じものを持っていました。
それにしても赤い(赤かった)傘が、ボロボロ。薄い和紙を買って、張り替えた方がよさそうです。が、できますかどうか。
ダルマの高さが10ミリほどです。


京都参寧坂の豆人形のおもちゃづくしです。
江戸のおもちゃとは、少々顔ぶれが違い、持って遊ぶおもちゃより土人形らしきものが多いでしょうか。共通しているのは、鳩笛、虎張り子、ダルマだけです。
猿、相撲取り、天神さま、福助などが見えます。


坊さん、大原女、虚無僧は京都らしいとして、辮髪の阿茶さん(中国人)、背の高いオランダさんなど、おもしろい組み合わせです。


招き猫、鳩笛のかわいいこと。招き猫が10ミリくらいです。


この衝立は、骨董市で見つけたもの。おもちゃを見る限り、上方のものというより江戸のものに見えます。
いつごろつくられたのでしょうか、土でできたレリーフのおもちゃを貼りつけてある、手の込んだものです。
衝立の足の竹が直径10ミリほどです。


拡大してみて、やっと何だかわかるものもあります。
駒、兜、やっこ凧、打ち出の小槌、烏帽子。


扇、犬張り子、ダルマ、福良雀、着物姿の熊のように見えるのは、でんでん太鼓でしょうか。それとも操り人形でしょうか、ちょっとよくわかりません。


そして、鳩笛、雪うさぎ、三番叟の鈴です。


助六のミニチュアと言えば、夫の母が持っていた凧屋が残っています。残念ながら、下屋(一階の屋根)に挙げた看板がなくなっていますが。


凧揚げは、かつてはずいぶん盛んな遊びでした。
江戸時代の終わりから明治時代の初めごろのお正月に、日本に居合わせた西洋人は、一様に揚げている凧の多さに驚いています。たくさんの人たちが、子どもも大人も、男も女もみんな凧揚げをしていると記しています(写真は、『逝きし世の面影』渡辺京二著、平凡社より)。

私の小さいころも、凧揚げは盛んでした。冬の季節、ちょっとしたなんでも屋では必ず、木版がずれたような、色がちょっと滲んでいる凧を売っていました。買ってきた凧には新聞紙やハトロン紙で長い脚をつけ、田んぼなどで揚げたものでした。
 

絵本、『父さんの小さかったとき』(塩野米松著、松岡達英絵、福音館書店)の「父さん」は、ほぼ同じ世代ですが、それには、父さんが父さんの父さんに凧をつくってもらっているところが描かれています。


この凧屋さんの中には凧屋のあるじが座って、キセルを使っています。凧屋が凧屋として成立した時代があったのですね。



2 件のコメント:

  1. 「逝きし世の面影」読まれたのですね。
    実は私はまだ読み終わっていません。布団に入る前が読書タイムですが、毎日すぐに記憶がなくなってぐぅぐぅ寝てしまいます。面白い読み止しの本がある状態って安心できますが。

    浅草のお店、行ってみたいです。
    こんなおもちゃやお人形があるなんて!
    先日、江戸博物館に行きましたが、時間が足りませんでした。
    モースの写真がありました。

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  2. mmerianさん
    『逝きし世の面影』、実は私もちっとも進んでいません。「寝る前にちょっと」読むのですが、すぐ寝てしまいます(笑)。また、ちょっと評論家ぽいところが(彼自身もよく言い訳していますが)気になって、読み進められないときもあります。「だから、なにを言いたい。あなたはそれをどう生かすと言うの?」と思ったりしてm(_ _)m。

    古き良き時代は日本だけでなく、世界中どこにでもありました。でも自然との共存、足るを知る社会だけでなく、わからないことや不条理もいっぱいあったはずです。
    先日、借りたDVDで「ナイナーク」というタイの1800年代の映画をみましたが、もう夢のような自然との共存社会でした。すごい!でもその頃に帰れるものではありません。

    江戸博物館にいらしたのですか?父の生存中連れて行ったのが最後ですから、もう長いこと行っていません。千葉県佐倉の国立歴史民族博物館も見ごたえありますよ。

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