カンボジアの折り機の道具のなかで、もっともかわいいものが、綜縞(そうこう)を吊る滑車です。
機(はた)を織るには、平織りの場合、経糸(たていと)を一本おきに二枚の綜縞に通し、その綜縞を上げ下げして、糸のすき間に緯糸(よこいと)を通します。
二つペアの滑車は、織り機の上の方の両側にぶら下げます。その滑車に紐で二枚の綜縞をつるし、綜縞はさらに紐で踏み板につなげます。
その踏み板を変わりばんこに踏むと、変わりばんこに上がったり下がったりする経糸の間を緯糸がくぐって、織物が織りあがっていきます。
滑車は、激しく使われるものですから、骨董市場で見つけても、欠けたり、磨滅していたり、中の滑車がなくなっていたりで、きれいな状態のものは多くはありませんでした。
また、ペアで使われていたものですが、ペアで状態のよいものは、ほとんど見かけませんでした。
タイ北部では、織機の滑車は象の意匠が定番ですが、カンボジアのものは、丸っこくて、花模様のものが大半でした。
一番多い、四枚の花模様の滑車です。
角度を変えると、滑車が見えます。
私の持っている、唯一のペアです。
珍しいひよこの滑車。
ひよこさん、くちばしもなかなかよくできています。
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