2012年5月24日木曜日

ホール


明日は息子の結婚式です。
花婿の母の定番は留袖ですが、その昔採寸の見本として着物を預けた人に留袖をなくされてしまったということがあり(ありえないよね!)、カンボジアの衣装でもいいと、息子の了解を得ています。

カンボジアでは、上下とも同じ絹の絣布でつくるのが正式なのですが、日本では上下揃えると正装感が薄れるような気がして、上着は白を合わせます。

ブラウスは、タイの織物どころスリン県の絹布屋さんで売れ残っていた、古い手織り手紡ぎの生成りの布を、プノンペンの仕立て屋さんで仕立てていただいたものです。


カンボジアの巻きスカート、ホールは元同僚ナリンの母上にいただいたものにします。
ナリンの弟さんの結婚式に着ていらっしゃったもので、あまり私がほめたのでくださいました。

ホールは、タイの絣と違って、綾織りにされているのでより光沢があります。
今でも手絞り、手織りでつくることには変わりありませんが、染めには化学染料が使われているので、いろいろな色の絣がつくられています。
でも、藍、赤、黄色を重ねたのが、カンボジアの絣の基本色です。
 


孔雀模様のも、大柄で華やかです。


花模様のも捨てがたいところですが、何度も水をくぐって布がとろんとしている、大好きな「ナリン母」のものにしました。

ホールは、織物の緯糸(よこいと)が上下(腰と裾)になるように着ますが、160センチほどの長さのものをまったく切らずに仕立てるので、解けば一枚の布に戻ります。
しかも、腰は二ヶ所でカギホックで留めるようにできているので、例えばナリンの母上と私と胴回りが違っても、カギホックさえつけ替えれば、身体にぴったりと合わすことができる、すぐれものです。

孔雀模様だけが新しい布で、花模様も古布です。


さて、衣装はカンボジアですが、タイやラオスのように、パビエン(ショール)を組み合わせて着るのが私流です。
ショールは、細く折って肩にかけますが、寒いときは広げてすっぽり覆うこともできます。


カンボジアの絞り染めのショールは、薄い薄い絹で、絞りも手の込んだ古いものです。


ラオスの紋織りのパビエンも捨てがたいものがあります。
もちろん草木染めです。


一つ一つの模様には物語があるのですが、これは象でしょうか。
ラオスはかつてランサーン王国と呼ばれていましたが、ランサーンとは、百万頭の象、という意味です。そんなに象がいたのです。



おめでたい席にふさわしい布です。
 

そして、もう一つの候補は、両端だけに紋織りのある、シンプルなパビエンです。
まだ、どれにするか、決めかねているところです。


4 件のコメント:

  1. 息子さんのご結婚おめでとうございます。
    春さんのようなお母さんのいるところにお嫁入りするなんて幸せですね!
    きっとお嫁さんも素敵な方なんでしょう。
    ↑の服、春さんが着た姿が見たいです(笑

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  2. mmerianさん
    ありがとうございます。二度目です(笑)。
    私たち夫婦はどっちでもよかったのですが、息子たち二人とも100%自助努力で結婚式をあげて、親の脛は細くなりませんでした(笑)。
    衣装は、私が着ていないからお見せできるのです(笑)。

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  3. おめでとうございます!

    二度目というのは、その息子さんが、ということでしょうか??違ってたらごめんなさい。
    実は、この私も二度ウエディングドレスを着ています恥。

    父と母は、二度とも普通のスーツだったと思いますが、初回に留袖などを着てもらわなくてよかったなと思っています。

    いいお天気になるといいですね。

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  4. toki-sappさん
    ありがとうございます。
    はい、お察しの通りその息子が二度目です。一度目は結婚式を挙げなかったのも別れた一つの理由だったとか、今回は盛大に行うようです。
    もっとも、甥っ子の一人は、4年もつき合った彼女と盛大な結婚式をあげて、たった3ヶ月で別れたので、結婚式は決して「かすがい」にはなりませんが(笑)。
    笑い事じゃないですね。

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