2012年6月6日水曜日

ありふれた籠


1980年前後にバンコクに住んでいたとき、どこの籠屋さんでも、ラタンの家具屋さんでも決まって置いてあったのが、この縦長の形の籠でした。こんなに鉢が張ってない籠もありました。
日本では見たことのない形でしたが、バンコクではありふれているもので、惜しげもなく、屑籠としていくつか使っていました。

その屑籠は、引っ越しの時に処分したり、ここに来てからも汚れたのを捨てたりして、手元には一つも残っていません。
十年くらい前でしたか、息子の引っ越しを手伝ったとき、荷物から、息子の名前入りの小ぶりの縦長の籠が、一つだけ出てきました。

家族で滞在していたバンコクから、上の息子だけ一足先に帰国して、帰国子女を受け入れる中学に編入させていただき、しばらく寮生活を送ったのですが、そのとき、卓上に置いてペンなど入れるようにと、持たせた籠が残っていたのです。


下部は四角で網代編み上げ、上の方で丸くなっています。


角や底は、竹を当てたりラタンを巻いたりして補強して、四隅には紐を通してぶら下げるための紐通しがつけてあります。


中も、きれいです。


この籠はわりと細いひごを使い、仕事も丁寧ですから、もしかしたら受刑者の編んだ籠だったかもしれません。
見ただけで、バンコクを思い出させる、懐かしい形の籠です。


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