メキシコの、内側だけ釉薬をかけてある入れ子鉢です。
水で洗うと、すっと水が土にしみ込んで、土の強い香りが漂います。とても低い温度で焼かれた、脆い陶器です。
鉢と言っても、これは一番大きいのが直径125ミリ、一番小さいのは40ミリしかないミニチュアです。たぶんままごと用のものでしょう。
実は、以前はこれをそのまま大きくした、食器の鉢も持っていました。一番大きいのは直径30センチ以上ある、やはり五個セットで、一番小さいのが、ままごとの一番大きいのと同じくらいの大きさでした。
アメリカで買ったものです。
食器の鉢は大きくて、重さがあるのに薄くつくられているため欠けやすく、ちょっと扱いにくいのですが、気に入っていました。
ある日、雑誌だったか、新聞だったかを読んでいたら、鉛中毒のについて書かれていた記事がありました。アメリカ南部の家族が、乳児を除いて、全員が健康を害し、調べてみたら鉛中毒になっていました。
その家族は、焼成温度の低い陶器のカップで、毎朝オレンジジュースを飲むのを習慣にしていましたが、無事だった乳児は哺乳ビンを使っていたので鉛中毒を免れた、というような記事でした。
もちろん、そのカップがとりわけ危険だったという可能性もありますが、用心するに越したことはありません。それからは、焼成温度の低い陶器に、酢を使った料理を絶対盛らないように気をつけました。メキシコ製の鉢だけでなく、スペイン製やイタリア製の器にも、焼成温度の低いものが、たくさんあります。日本のらくやきもそうです。
重くて壊れやすい鉢は、アメリカから無事持って帰り、その後の引っ越しのたびに持ち歩いていました。
でも、出番が少ないわりに場所を取ることや、縁が欠けたものが多くなってきたことから、いつだったか、処分してしてしまいました。
大きい鉢は残念でしたが、ままごとの鉢は縁が欠けもせず、今も健在です。
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