2012年9月11日火曜日

カレンの衣装


ビルマにはたくさんのカレン人が住んでいます。
そして、ビルマ国境に近いタイの山岳地帯にも、カレンの集落はいくつも点在しています。
そんなカレンの村を訪ねたとき出逢ったブラウスです。もう、30年以上前のことです。

カレンのブラウスは、細く織った二枚の布を真ん中とわきでつなぎ合わせるだけですから、仕立ては簡単ですが、仕立てる前に、刺繍したり、ジュズダマを縫いつけて装飾します。


たいていは、幾何学模様ですが、


中にはもっと自由な模様もあるようです(写真は、『FROM HANDS OF THE HILDS』より)。

 

白地のブラウスは未婚者の身につけるものです。
ブラウスの飾りは、若い女性の腕の見せ所、ずいぶん手をかけた装飾を施しています。頭に生花(ジャスミン)を飾っているのが、ビルマのあたりらしいところです(写真は、同上)。

カレン人は既婚者でないと、黒いブラウスは着られません。今なら、問題になるところですが、 30年ほど前まで、おばあちゃんでも未婚の女性は白いブラウスを着ていました。


ブラウスをそのまま長くつくったワンピースもあります(写真は、『Peoples of the Golden Triangle』より)。


子どもたちが頭にかぶっているのも、カレン独特のかぶり物です。


ブラウスは細めの糸で織りますが、それに合わせる腰巻は、太い糸を絣に染めて、ブラウスより幅を広く織ります。


そして、二幅はいで、わに縫い合わせれば、できあがりです。

私?
ブラウスはよく着ましたが、その下に合わせるのはフレヤーのスカートやジーパン。サロンを合わせたら、かぶり物やら、たくさんの腕輪やらつけなくては、物足りないというものでしょう。


付記:

ボンベイ→ムンバイ、カルカッタ→コルカタ、ペキン→ベイジンなど、英語の名前が通り名になっている地域の、呼称変更がずいぶんありました。
しかし、いまだにビルマをミャンマーと呼べないでいます。
ビルマはたくさんの民族の寄り集まった地域ですが、ミャンマーというのは、平地に住む人たちの優位をことさら強調する名前で、ほかの民族の人たちにとってはビルマの方がまだましと、軍事政権の弾圧を逃れて国境を越えた難民たちから聞いたことがあったからです。
というわけで、私にとっては、いつまでもビルマです。



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