2012年10月12日金曜日
丸い、蓋のある籠
底や蓋が丸い籠を編むなら、インドネシアのアタの籠のように、中心からぐるぐる巻いていくのが、もっとも簡単です。
平らに巻いていたところを、あるところから狭めて巻けば、自然に側面ができます。
ゆるやかに、狭めることもできるし、直角に曲げることもできます。
しかし、多くの地域では、太い材料を紐のような材料でぐるぐる巻いていくという籠編みの方法をとっていません。
ラオスやタイ(その辺り一帯の山岳民族も含む)の、もち米入れの丸い籠の場合、平らに編んだ底や蓋の上部分に、側面として、別のものをつないでいます。
それにしても、平らな部分もよく締まって、きれいに丸くできています。
外側だけでなく、内側にも破たんがありません。
でも、こちらの籠は、円部分の直径が小さ過ぎたのか、内側だけでなく、外側もそうきれいに処理されていません。難しそう。
蓋の上や底まで丸くすることにこだわらなければ、竹やラタンといった材料は弾力がありますので、四角くつくっても縁は簡単に丸くなります。
このタイの竹の籠は、底も蓋の上部も四角ですが、縁はきれいな丸になっています。
カンボジアでは、パルメラヤシの葉で丸い籠をつくるとき、たいてい六角形にします。
ただ、六角形から側面をつくるとき、蓋の上部や底はでこぼこしてしまいますが、それを逆手にとって、装飾にしています。
縁はきれいに丸くなっています。
左の籠は、平らな底が欲しかったのか、蓋は六角ですが、身の方は四角く編んであります。
東ティモールのヤシの葉の籠は、底から側面まで編み進みながら、底と蓋の上部を丸くしようと、苦心(?)したものです。
よく見ると、十二ヶ所がとがっていて、このとがった部分で側面に移行するときの曲がり方を解消しているのがわかります。
それにしてもよく編めています。
蓋も身同様編み目が詰まって見えますが、蓋部分を多少緩めに編んで、蓋と身がすっぽり合わさるようにできているのでしょうか?
それとも、ヤシの葉の幅を少しだけ変えているのでしょうか?
幅を変えるのは、もっと難しそうです。大きさにはほとんど変わりがないのですから、やはり熟練者が手の加減で、大きさをちょっと違えているように思われます。
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