2012年10月25日木曜日
今(現代)のセルロイド
セルロイドは樟脳からつくります。
樟脳はクスノキなどの精油が原料です。
明治の半ば、べっ甲、象牙、珊瑚などの代替品として日本に輸入されたセルロイドは、櫛、笄、眼鏡の縁などに加工されましたが、やがて代替品としてだけでなく、セルロイド独自の性質を生かして、ピンポン玉やおもちゃに加工されるようになりました。
第一次世界大戦の勃発によって、それまでセルロイド玩具の主要輸出国であったドイツが、おもちゃの生産を中止したことにともなって、日本は世界のセルロイド玩具の需要を賄うようになりました。
昭和初期にはセルロイド生産の全盛期を迎えます。おもちゃだけでなく、筆箱などの文房具、桶などの日用雑貨など、いろいろなものがセルロイドでつくられました。
第二次世界大戦中は材料が不足し、生産は一時中止したものの、戦後いち早く再開、セルロイドのおもちゃは輸出の主要品目となり、外貨獲得に貢献しました。
しかし、可燃性の高いことが、とくに海外で問題視されているなか、燃えにくいプラスティックが開発されて、とうとうセルロイドは、五十年にわたったその生産の歴史を閉じることになりました。
というわけで、今では日本でセルロイドの製品はほとんどつくられていません。
しかし、皆無というわけではありません。カツシカセルロイドは、今もセルロイドの製品をつくっています。
カツシカセルロイドの小箱と眼鏡ケースです。
以前、バッグには別の眼鏡ケースを入れていましたが、出先に置き忘れてしまい、しかたなく家で使っていたセルロイドの眼鏡ケースを持ち歩くようになりました。
バッグの中で蓋が開いてしまわないかとの心配は、杞憂に終わりました。開けようとすれば簡単に開くのに、勝手に開くことがありません。よくできています。
厚手のセルロイドなのでつぶれることもなく、軽いのでもっと早くから持ち歩けばよかったと思ったものでした。
バッグの中で、鍵やカメラ、お財布などとぶつかりあっていますから、表面がちょっとこすれて、艶がなくなっています。
それもセルロイドの味の一つでしょう。
セルロイド人形ミーコは、セルロイド・ドリームの、セルや平井英一さんの手でつくられています。
着せ替え人形は、本来は人形は一体だけで、いろいろな服を着せて楽しむものですが、セルやさんにはいろいろな表情のミーコがいるので、複数欲しくなってしまいます。
顔は、セルやさんの他にも複数の方が描かれていて、衣装もいろいろあります。
左のミーコのポケットから顔を出しているのは、セルやさんの一番小さい人形の、キューピーのセルッピーです。
平井さんは「最後のセルや」を自称なさっているようですが、いつまでもかわいいセルロイドの人形の灯が消えないで欲しいと思います。
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