2013年1月28日月曜日

『獣の奏者』


とうとう、『獣の奏者』 (上橋菜穂子著、講談社)を読み終わりました。
夢中で読んだ数日間、まだ登場人物たちが自分の中にどっかりと居座っているようです。
う~ん、おもしろかった。最後は泣きました。

たくさんの魅力的な人物が登場していました。エリン、イアル、ジョウン、エサル、ロラン、真王、大公など主要人物だけでなく、ヤントク、ユーヤンなど、わき役もみんな魅力的でした。
一巻と外伝が300余ページずつ、二巻、三巻、四巻は400余ページずつ。すごい量ですが、息もつかせませんでした。
挿絵もないのに、映画のようでした。


舞台は、架空の地域ですが、高い山岳地帯があったり、点々と城壁に守られた交易都市があったりして、大陸をイメージしているように思えました。
それでいて、蝉の声、とくに蜩(ひぐらし)の声が、いろいろな場面で重要な舞台装置になっていたのが、とっても日本的なところで、おもしろいなと感じました。

東南アジア大陸部にも蝉はいるようですが目立たないし、島嶼部の熱帯林の蝉は、周波数が違う、まるで金属音のような音を出していました。中国にも蝉がいるようですが、どんな鳴き方をするのでしょう?
また、カルカッタ郊外で育ったSちゃんによれば、インドには蝉はいないそうです。

物語には関係ないことをもう一つ。
食べているお料理やお菓子が、実においしそうで、生唾が出るほどでした。
そう思っていたら、『バルサの食卓』(上橋菜穂子・チーム北海道、新潮文庫)という本が出ているのを見つけました。バルサの『守り人シリーズ』だけでなく、『獣の奏者』など、上橋菜穂子の本に出て来るお料理を、実際につくってみた本らしいので、注文してしまいました。
まだ本は届いていませんが、楽しみです。エリンが息子のジェシと最後に食べた、猪肉をあぶって薄く焼いた雑穀に乗せ、甘辛い味噌と青菜も乗せて巻いて食べる北京ダックのような料理を、ぜひともつくってみたい気持ちです。

アニメもあるようですが、それは見たくないです。

4 件のコメント:

  1. エリン、NHKアニメを少しだけ見てました。
    なんだかその時はあまりハマらなかったですが、ちゃんと素敵な原作があったのですね。きっと本の方がずっとずっとおもしろいと思います。
    アニメでは無国籍風というか、、明らかに舞台は韓国っぽい設定でしたよ。


    ↓ノロウイルスですね。
     最近は大の大人がかかって苦しむタイプそうですから、さぞつらかったことでしょう。
    インフルエンザも大人の方が多く罹っているそうです、弱っているところで拾わぬよう、お気を付けください。私も気をつけます。

    返信削除
  2. toki-sappさん
    その昔から、映画・テレビを見て原作を読むと面白いのだけれど、その反対って、ほとんどだめでした。
    『獣の奏者』お勧めです。

    ↓ノロウイルスという名前は聞いたことがあったのですが、全然知らず、自分には関係ないものと思っていました。まだ、お腹がしくしくしています。
    以前、toki-sappさんが紹介していたきんぎょ印のうどん、ずっと食べています♪

    返信削除
  3. 上橋菜穂子さんの文は確かに映像的ですよね。
    上橋さんは、額のあたりに物語が浮かんでくると話していたのを何かで読んだ。。。と、この本を教えてくれた友達が
    言ってました。
    やはり映像で浮かんでくるのでしょうか。
    この本を読んだころミツバチを飼っていたので、ミツバチの生態や用語が詳しく理解されて描かれているのに驚きました。
    じぶんで飼っていても、生態を理解するのはけっこう時
    間のかかることだったので。

    返信削除
  4. kuskusさん
    『バルサの食卓』に、上橋菜穂子さんは『大草原の小さな家』『ツバメ号とアマゾン号』『ナルニア国物語』などを読んで育ったと書かれていたので、「なるほどね」と納得しました。状況を映像的に細かく描写して、ご飯もおいしそうで、長編。イギリス(アメリカの本もあるが)の児童書あたりからの影響かなとは思っていました。
    イギリスの本を読んでいると、チョーク層やらヒースの原などがふんだんに出てきますが、彼女の場合は、湯屋やヒグラシ(笑)。訳されたら、湯屋はともかくヒグラシはどうする?なんて、余計なお世話です。
    あと、商業がえらい発達しているのは、お金社会しか考えられない日本人のサガかなと思ったりしました。イギリス人だったら、服は皮だけまとっていたり、お腹がすいたら狩りをします(笑)。
    ミツバチとともにある生活の部分、本当に楽しそうでしたね。

    返信削除