2013年1月5日土曜日

木枕

以前の職場で西式健康法が流行っていたことがありました。
当時はまだいろいろなところに道場と称する宿泊施設があり、どこもお年寄りが経営していましたが、誘いあって疲れた身体を癒しに行ったものでした。
西式健康法は、戦前、ペニシリンなどのないころ、不治の病と宣告された人たちをずいぶん救いました。奄美の画家、田中一村もその一人です。
西式健康法は、簡単にいえば、血液の流れと腸の働きをよくして、人間の持っている自然治癒力を高める方法で、摂取より排泄を考える食事、温冷浴、毛細血管を体操などいろいろな組み合わせがあります。
その一つに木枕があります。


木枕は桐の木でできていて、上部のアーチ型の木、両側面の半月形の木、そして底の平らな木の組み合わせでできています。 


この木枕を使うと、適度に首筋を刺激して、血行がよくなります。
本当は毎日使うといいのですが、上を向いて寝るときはともかく、横向きの時はどうしても慣れきれず、普段は残念ながら使っていません。                         


以前、骨董市で、珍しい木枕を見つけました。
桐の木ですが、貼り合わせたものではなく、かたまりをくり抜いたものです。


二つ並んでいたのですが、見ていた人がいて、タッチの差で一つ買われてしまい、一つだけ手に入れることができました。
形が似ているので、昔の西式の枕でしょうか?誰かが手づくりしたものかもしれません。

時折、思い出したように体操をするときなど使うために、木枕は常に寝室に置いてあります。


エチオピアの木枕です。
髷も結っていないのに、どうして首に当てる木枕を使っていたのかと思いますが、頭に当てないで首に当てていたには、それなりの理由があったものかと思います。


木枕はエチオピアだけでなく、他アフリカの他の地方にもあったようです。
この木枕は、私にはちょっと高すぎますが、昼寝くらいにはなかなか心地よいものです。

8 件のコメント:

  1. 今年も関連したお喋りをよろしくお願いいたします。
     母も祖母も日本髪だったので箱枕でした。
    もっとも働くようになった母は断髪になりましたが。
    子供心に首が痛くないのかなーっと考えていましたよ。
    髪を結うのが一日の始まりです。
     
     足踏み健康法で孟宗の半切りが流行ましたね。

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  2. 昭ちゃん
    こちらこそよろしく。
    私も親戚のおばあちゃんが箱枕を使っていたのを見たことがあります。祖母も昔の写真を見ると髷を結っていたので箱枕を使っていたのでしょうね。
    今は木枕も箱枕もすっかり姿を消してしまいましたが、昔はそれしかなかったというのが驚きです。東北の稲藁に潜って寝る使用人たちは、つっこんである角材の枕をかんかんと打たれてそれで目を覚ましたというのは、別の時代に生まれたとはいえ哀れですね。さぞかし眠かったことでしょう。

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  3.  江戸時代の火消し人足は木の長ーい枕で
    火事のときは叩くので一斉に起きるとか。
    江戸研オタクから突っ込みがくるかな?。

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  4. 昭ちゃん
    そういう意味では、角材の木枕は偉い便利(笑)ですね。

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  5. かまぼこ型の桐枕どんな使用感か試してみたいです。涼しそうですね。音も塞がれず聞き取りやすそう。(横向きに寝ても)昭ちゃんさんの母上は日本髪だったとのこと。こうしたお話が聞けるのは貴重です,もっといろいろお聞きしたいです。私の祖母は明治生まれですが、その頃の写真を探してもなかなか日本髪の姿は見つけられません。母の実家には、明治時代前の道具や先祖からの日本刀などがまだ沢山あるので、木枕もあるでしょうか、、、。伯父に訪ねてみたくなりました。

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  6. hattoさん
    もしhattoさんのお家にあるとしたら、昭ちゃんのおっしゃるような箱枕でしょう。下が箱で、その上に布の小さい座布団のようなのがついているものです。
    箱枕は髪を崩さないためのものですから背が高いけれどかまぼこ型の木枕は、頭の大きさによって大きいのや小さいのがあって、頭がすれすれ布団につくものです。けっこうコリがほぐれる感じですよ。短い時間ならとっても気持ちの良いものです。もちろん長い時間でも、これでなくっちゃと言う人もいますが。

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  7. hatto2013年1月5日 19:38

    http://taka4027.exblog.jp/10945848/
    こんなんですね、はこ枕。
    ちょっと調べてみたら春さんの木枕は室町時代から使われていたとありました。以外にも枕の歴史って古いものなんですね。やはり髪型を崩さない、、、という理由でしょうか。

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  8. hattoさん
    そうですか。古いものですか。充分あり得ますね。
    西式では生の野菜をすりつぶした青汁のようなものを毎食食べるのですが(やっていないけれど)、それは人が火を使わなかったころの食べ物だからということだったので、室町に遡ってみるなんてお茶の子さいさいだと思います(笑)。

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