大場さんの写真をお借りしました |
ピッツァは、Yさんの地粉を挽いたものに、Nさんの有機野菜のトッピング、それをOさんがギャラリーの裏庭に常設した石窯で焼いたもので、とびきりおいしいものでした。
これまで考えたことがなかったけれど、ピッツァは、粉と野菜が命なのですね。
続いて、造園家Sさんの家で、焼き鳥の宴です。
建築家のOさんと陶芸家のKさんが、ゴールデンウイークに笠間の陶炎祭で、チキンサテーを売ったのが余ったそうで、その余りを、みんなで消化しようというのです。炭火焼きのサテーはスパイシー、インドネシアの味でした。
石を積んでつくった、S家の野外バーの前には、ゼロ歳児から七十代爺までが集って、大賑わいです。
Sさんがご自分で建てた母屋です。屋根には草が生え、壁にはツタが登っています。
こちらから見ると家に見えますが、反対側から見たら、石を積んだ(壁)上にただの草が生えた丘に見えます。
玄関前には、裏の谷川から引いた小川が流れています。
いつもせせらぎの音が聞こえる家ですが、Sさんの声が響き渡っていると、さすがのせせらぎの音も負けてしまいます。
室内には、天窓から外のツタが入り込んできていますが、植物と一緒に雨は入ってこないのでしょうか?
まっ、気にするようなSさんではありません。
ちょっと背をかがめないと出て行けない低い掃き出し窓の向こうは谷川で、谷川の向こうの杉林が見えています。テラスの右手には谷川の音を聞きながら入れる露天風呂もあります。
さて、そのSさんが近頃つくった、お連れ合いあつこさんの仕事場の増築部分です。入口は、洞窟に探検に入る雰囲気につくられています。
入口に積んだ大谷石は、地震の時に壊れた蔵の大谷石をもらってきたものだとか、御影石の梁も蔵の礎石だったものだそうです。
入ってすぐの部屋。
石だけでなく、床材も壁の塗料も貰いものというのが、Sさんのご自慢です。
そして、自慢中の自慢は天井のコンクリートを打った時にはみ出したバリ。金粉を混ぜた塗料で塗って、目立たせてあります。
つきあたりに見えている石は、暖炉です。
暖炉奥の壁の中に煙突が埋め込んであって、階段の踊り場の下、深くまで薪を突っ込む暖炉ですが、踊り場ばかり熱くなって、部屋が暖まらないと、あつこさんには、ちょっと不評でした。
ストーブ前の床も、階段の踏み板も、断熱材の上に新聞紙を何枚も厚く貼り、その上に和紙が貼ってあるのだとか、歩くとふわふわ弾力があります。
暖炉に乗っている石は落ちそうで落ちないかっこよさで、子どもならずとも、触ってみたくなります。金色で二本の線が描いてありました。
その増築部分から廊下を通って、
屋上へと出られます。
屋上には、他の棟同様土が入れてありますが、完成したばかりなので裸です。
同じ位置から後ろを振り返って既存の部分を見ると、屋根は草で覆われています。増築部分も、早晩このようになるそうです。
何も蒔いたりせず、自然に任せているので、今頃が一番美しいでしょうか。秋口にはススキなどの丈の高い草が生い茂り、冬には屋根は枯野となります。
密閉性の比較的高い我が家にも、どこからかムカデなどが入り込むことがありますが、Sさんの家は、さぞかし虫たちも棲みやすいでしょう。
あつこさんには、みんなで集まってわいわい話していたら、肩にムカデが落ちてきたのだけれど、黙ってつまんで投げ捨てて、話を続けたという武勇伝があります。
八郷を満喫した、宴な週末でした。
とても興味深い家です。石の教会みたい!(軽井沢の)暖炉の設置も気になる処です。なんだかワクワクする住宅ですね。
返信削除hattoさん
返信削除ユニークと言えば、こんなユニークな家は、日本にはめったにないでしょう?
三棟とも草屋根で、遊びの基地をつくる感覚の続きだと思います(笑)。
いつだったか、東北の方にドライブして、野宿するために、きれいな沢がないかとうろうろさがしたという話を聞いて、「家と同じようなところをさがしたんでしょう?じゃぁどこへも行かなくてもいいじゃない」と大笑いしたことがあります。