2013年7月22日月曜日

選挙に思う


これは昨日、参議院選挙の投票会場です。
会場には投票手続きをする人や、それを監視する人など七人の姿が見えましたが、私たちが入って投票して出てくるまで、投票人はどなたもお見かけしませんでした。 投票率の結果は52%程度だと聞きましたが、今までよりずっと少ない印象を受けました。
覚めた、諦めた、そんなことをしている間に、事態はますます泥沼に入っていきます。原発推進の自民圧勝でした。

今、土の放射線量が1000ベクレルを超えるというのに、福島では、原発反対どころか、原発について発言もできない状況になっていると、複数の方から聞きました。
原発推進派の選挙演説の片隅で、静かに原発反対のプラカードを掲げた人が、袋叩きに合い、警察まで呼ばれたとか。福島全体が「もの言えぬ」状態になっているようです。
みんなで、気力で放射能を乗り越えようとしているのですが、放射能は乗り越えられるものではありません。

ファナティックさは、早晩、日本全土に飛び火するかもしれません。
この状況を見ていると、太平洋戦争で「非国民」などとファナティックな言動が蔓延したのは、何も言えない状況に上から押えこまれていたからだと言われてますが、実は自分たちで自分たちの首を絞めたのではないかと、疑ってしまいます。

ファナティックになるということは、現実直視を避けるということです。
放射能の影響は見て見ぬふりをしていても、避けられないし、これ以上地球上にゴミを増やしたくありません。

誰かが悪くて、自分は何も手を汚していないのではない。このような状況を産みだしたのは私たち自身、そしてさらに悪くしようとしているのも私たち自身です。
戦争は最初は見えない外地で行われていたから、自分の問題として凝視しなかった。放射能汚染も黙視できないので、蓋をしてしまう。
そうじゃない生き方をするための道筋は、いったいどうやったらつくのでしょう?

考えさせられた一日でした。


これは、『東京新聞』に載っていた写真です。
もしかしたら、二十歳からではなくて、十歳から選挙権が持てたら、世の中もっと健全になるかもしれません。
きっと、子どもをだまそうとする腹黒い大人がいっぱい出てきそうですが。


2 件のコメント:

  1. 私も今回の選挙結果はいつにも増して残念に感じました。
    与党の圧勝だけでなく、選挙の在り方や、投票率の低さ・・・
    特に原発は,推進してきたのは一部の人かもしれないけれど、
    本当は一人一人のものだと受け止められないと、大変なことになるように思います。
    僭越ですが・・・

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  2. hana-ikadaさん
    事故直後に、原発の近くに住んでいてずっと反対してきた人が、「自分の力が足りなかったからこんなことになり残念だ」と言っていたのがとても印象的でした。彼は誰のせいにもしていなかったし、「それみたことか」とも言いませんでした。原発を持つほどの国の富で、みんなで潤って来たのですから、責任は富を享受してきたみんなにあると、私も思います。
    でも、いくら考えても出口が見つからないのが残念です。
    多数が自民党を選んだということは、経済を立て直すということに一縷の望みを託しているということでしょう。しかし、更なる原発事故もありえるもろい地盤に立脚して、経済が上向いたからと言って心の不安がどうして解消できるでしょう。経済の上向きも、もっとどこかの地域より有利に交渉を進めるということ。低賃金やら、環境破壊やらで、どこかの誰かさんが喘ぐという結果を伴うわけです。
    やはり、経済優先ではなく、「別の生き方」に喜びを見出すときが来ている気がします。

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