骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんが古めかしいミニカーのようなものを持っていました。
裏返してみると、底がありません。
TOOTSIETOY、MADE IN U・S・Aとエンボスがありました。
常連さんらしき人が見ていて、
「その値段なら、五台全部買ったら?」
と、見ず知らずの私に薦めます。
「そういうわけにもいかないのよ」
「昔は高く売っていたんだけど、もう売っちまおうと思って持って来たんだ」
と、さわださんが、私にともなく、常連さんにともなく、自分にともなくつぶやきます。
さわださんは、先月は体調不良でお休みでした。 ちょっと弱気になっているんでしょうか。
「ミニカーを集めている歯医者さんに持ってけば高く買ってくれるんだけど、めんどくさくて」
といいつつ、二人はすっかりその歯医者さんの話に熱中しはじめました。 歯医者さんが、レストランをはじめるという話です。
結局、五台の中から、オープンカー、タンクローリー、ボンネットの長いトラックの三台を選びました。
アンチモンを鋳込んだもので、車体の内側に収まっているタイヤはゴムでできています。どれもアメリカらしいデザイン、そして時代を感じる丸っこさがなんとも言えません。オープンカーとタンクローリーの長さは108ミリ、トラックが99ミリです。
TOOTSIETOYは、1800年代に鋳物の会社を設立し、1910年代に、世界初のミニカーをつくりました。そして、1924年から「TOOTSIETOY」のロゴを使いはじめました。
骨董市と言えば、私のブログではおなじみのがんこさんが突然出店をやめることになりました。歯に衣着せぬ物言いのがんこさん、ちょっと生意気ながんこさん、いったい何があったのでしょう?
がんこさんの親方に、この骨董市を辞めた理由を聞いたら、
「俺の口からは言えない」
と言葉を濁してしまわれました。
うぅ~ん、残念。
私は骨董市全体を冷やかしているのではなく、その中の数人の骨董屋さんのお店に立ち寄るのを楽しみにしているので、馴染みの店がなくなると困るのです。
がんこさんは、骨董屋は仕入れより、売ることより、調べることが一番大切と言っていました。TOOTSIETOYに関するうんちくも聞きたかったなぁ。
いつか、がんこさんが店を出している骨董市では最も近い、と言ってもずいぶん遠い館林の骨董市に行ってみましょうか。
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