2013年9月5日木曜日

アメリカ先住民人形


しばらく前に、ヤフーオークションで、アメリカ先住民の人形を見つけたとき、なんだか悲しくなりました。
アメリカ先住民の人形と言えば、eBayをのぞいてみると、真っ赤な怖い顔の赤ん坊やら、悪意があるとしか思えない、デフォルメされたかわいくない人形ばかりが並んでいます。
この二人のお母さん人形、あるいはお母さんごっこの女の子たちには、強い偏見は感じられませんが、かわいくつくろうとした意思もあまり感じられません。

先住民たちの持っていた宝物を奪おうとしたとき、どんなにお金を積んでも手に入れることができなかったので、安価な人形を持って行って、子どもうを思う親の気持ちを利用して手に入れたという話があります。
かつて、決してお金では手放されなかった世界中の先住民たちの宝物たちは、人形やガラス玉とあっけなく交換されて、取りあげた人たちの富を増やしたのでした。

その姑息な手段は、形が違うものの、経済格差を利用した、現代の経済システムと通じるところがあります。
途上国のなけなしの水で育てた綿を、きつい労働条件で加工したTシャツなど、安い値段でばんばん買えるのですから。


この人形は全然古くないものなので、そんな悲しいことに利用されたものではありません。
安手のプラスティックや合成皮革が使われている、ただのお土産ものの人形です。寝かせると、目も閉じます。
確証はありませんが、1970年代以降の、香港製だと思われます。


気に入ったのは、背負われている、双子の赤ちゃんたちでした。

「まっ、縁があったら保護しよう」
500円で入札して放っておいたら、落札の知らせが来ました。そして、定型外郵便で私の手元に届きました。


届いてみても、やっぱりなんか悲しいです。
かわいいような、可愛くないような赤ちゃん。 ため息が出ました。



2 件のコメント:

  1. はじめまして春さん。
    今日のお人形を見て懐かしく思い、コメントさせて頂きました。
    我が家にもこれとよく似た人形がどこかにあります。
    昔父が集めていた世界の人形シリーズで、各国の民族衣装を着た髪や肌の色がちがうだけで同じ顔の人形達です。
    そのせいかどの衣装も中途半端に似合っていなかったような気がします。

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  2. はぎんこさん
    初めまして。コメントありがとうございます。
    例えばタイの山岳民族の人形は、同じ顔で違う衣装でした。でも世界中の民族衣装人形が同じ顔で違う衣装というのは、考えてみるとおもしろいですね(笑)。
    人形は、形は似ていますが、いくつかに分けられると思います。①子の健やかな成長を願ってつくった人形、②観光地のお土産としてつくった人形、③民族衣装を着て、国あるいは地域を代表する人形。同じ人形でありながら、つくる人の気持ちが全く違います。
    国内の観光地土産が一ヶ所でたくさんの観光地向けにつくられたように、民族衣装人形も、特定のところでつくられていて地球規模に配られているのでしょうね。
    おかしいけど、なんかやっぱり悲しいですね(笑)。

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