2014年5月16日金曜日

籠玉が上がりました


私たちって、なんてもの好きな夫婦なのでしょう。
籠玉を欲しがる私も私ですが、山から木を切って来て、竿を立ててしまう夫も夫です。
籠玉を手に入れてから二週間、とうとう竿が立ち、籠玉が上がりました。


最初に掘った穴。


しかし、型枠を入れてはみたのですが、場所がよくなくて、また持ち上げて別の場所を掘り直しました。


二度目の穴。今度は、決定です。
奥に見えるのが、樹皮をむいた竿です。

予定では、現在進行中の作業棟建設の、次のコンクリート打ちのときに一緒に打つはずでしたが、一つのことをやり出すととことんのめり込む夫は、それまでとても待っていられません。
竿のためだけに、1立米のコンクリートを持ってきてもらうことになりました。


コンクリート打ちの準備を整え、コンクリート・ミキサー車に近くまで寄ってもらって、巨大な「とい」で流します。

いつもは大変なコンクリート打ちですが、その日は力も手間もいらずに、わりと簡単に打てました。もっとも、コンクリート打ちの写真を撮ることはすっかり忘れていました。
 

コンクリートを打った次の日には、竿をとめる鉄骨支柱を固定していたパイプを外し、コンクリートの型枠も一部取り外しました。


竿を立てるのは、かつては隣近所総出の、大変な作業だったようです。足元をずれないように固定しておいて、みんなで綱で引っ張って立てたのです。

今は機械化時代、夫が考えたのは、ウインチとユンボの併用で立てる方法です。このウインチは小さいけれど、150キログラムまで持ち上げられます。


ユンボで吊りあげ、竿を支柱の間に収め、一ヶ所だけ開けた穴に、太いネジ棒を通して、その日の作業は終わりました。


いよいよ立てる日がきました。
保管していた籠玉を、二階の展示室から運び出します。


竿には鯉のぼりや吹き流しをつける紐も取りつけて、準備が整っています。
ウインチのワイヤーは、竿の下端と結んでいます。


竿の先に、籠玉を挿します。
太い銅線で竹の切り口を補強し、ネジ棒も貫通させて、竿と籠玉をしっかり固定しました。
 

とうとう、紐をほどいて、小さい玉を自由にするときがやってきました。


ユンボで持ち上げながら、足元と結んだウインチのワイヤーを、上がって緩んだ分だけ、引き締めていきます。


うっ、栗の木に竿が引っ掛かって上がらりません。
躊躇することなく、栗の枝を切り落とします。


これで上がります。
途中までユンボとウインチの併用、途中でユンボで吊っていた紐を外して、ウインチで一気に持ち上げました。

そして、あと二ヶ所、穴を開け、ネジ棒を差し込んで、鉄骨支柱に竿を固定して完成です。


じゃ~ん。
新しい籠玉の小さい玉は、空の方に向いています。


さて、作業が終わった時は正午をとっくに過ぎていたというのに、昼食も食べず、下からどう見えるか見に行きます。
我が家の方向を見ると、おお、籠玉がはっきりと見えました。


いやはや、これを目にした村の人たちから、
「余所者は何考えてんだか、わかんねえ」
と言われてしまいそうです。


うちの籠玉。


そして、よその籠玉でした。





4 件のコメント:

  1. 立派です!小さい玉が天に向ってピンとしていて、見ていると気持ちいいです。ほんとうに大きいですよね。写真を見たときに想像を超えていて驚きました。でも、これだけ大きいと、高いところでも存在感があります。初節句にできなかったので、いつか庭先に鯉のぼりを泳がせたいとずっと思っています。

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  2. bluemoonさん
    天空で映えるためにはこのくらい大きくないとだめなのでしょう。実は吹き流しも小さいのを一つ買ってあります。揚げてみたいのですが、まず地上に散らかったものを片づけるのが先、今一生懸命片づけています(笑)。

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  3. 素敵!天に向かって、神々しささえ感じますね。
    もしくはUFOを呼ぶ儀式の為、とか言われても信じちゃいそうです。

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  4. sekineさん
    素敵でしょう!今日は雨で吹き流しは降ろしていますが、籠玉はあがっています。「簡単に倒せるよ」と言われているのですが、やっぱりたいへんそう、あげたままでしばらく置いていますので、見に来てくださいね。
    昔の人が跡取りが生まれたのを喜んだ、その気持ちがわかります。もっとも、跡取りのはずの人は都会から帰らず、おじいちゃん、おばあちゃんはやきもきしたり、眠れない夜を過ごしたりしていますが(笑)。

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