2014年5月18日日曜日

セミョーノフの異端児(?)たち


ソ連時代を経済的に支えてきたセミョーノフのマトリョーシカには、定番の娘たちだけのものに加えて、いろいろなバリエーションがあったようです。


「マトリョーシカは娘に限る」
と思っている私ですが、これは例外的にわりと好き。お父さんとお母さん、そして息子と娘。マトリョーシカというよりは、木彫りの家族人形を見ているような感じです。

『マトリョーシカ・ノート3』によると、この形は1950年代からつくられはじめ、今でもつくり続けられている、人気(?)のシリーズのようです。
木の色からして、そう古いものではなさそうですが、『マトリョーシカ・ノート3』を参考にすると、1980年代になると、感じがガラッと変わるので、1970年代のものでしょうか。

それにしても、暖かそうなコートのお父さん、見慣れたいつもの恰好のお母さん、何故かおしゃれで花まで持っている息子と、お父さんのコートを真似したような服を着ている娘の、バランスが取れているような、全然取れていないような、不思議な組み合わせです。


これも、セミョーノフのマトリョーシカの一つの形です。
可愛いというより薄気味悪く、どうしてこんなものをつくったのか、理解に苦しみつつ、反面それを面白がってもいる私です。

「マトリョーシカ・ノート3」を見ると、だいたいこの形のマトリョーシカにはまつ毛があるようです。
二番目の娘の黒い唇なんて変。どうして赤い絵の具がないわけではないのに、使わなかったのでしょう?


子だくさん祈願としてつくったなら、どんな人が買ったんでしょう?また、外貨を稼ぐための輸出品としてつくったなら、いったいどこの国の人が、この形を好んだのでしょう?
見れば見るほど、?????が増えてしまうマトリョーシカです。


けっこう、こんなマトリョーシカをつくった職人さんほど明るくて、楽しい人たちだったような気もします。




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