2014年5月19日月曜日
サナンさん
三日ほど、タイのサナンさんが泊っていました。
「八郷の椅子展」で、小石を入れた椅子に座るサナンさんです。
ちょっとだけ、型枠づくりを手伝っても貰いました。スリンの家の増築計画があるようですが、参考になったでしょうか?
サナンさんは生まれて初めて丸鋸を持ち、スライド丸鋸やインパクトドライバも使ったというのに、どれも一度で覚えて、なかなかの感のよさでした。
一夜、「暮しのじっけん室」を訪ね、彼らの活動の聞き書きをしました。
対応してくれたIさんもFさんも英語が堪能ですが、肝心のサナンさんができればタイ語で話したいと言います。
そこで、もう20年近くタイ語から離れ、完全に頭の中が錆びつき、サナンさんとも込み入った話はしていなかった私が急きょ通訳と言うことになりました。
まあ、できなくても、みんな英語ができるので、何とかなります。
人口、税、消費者などなど、サナンさんの言葉の中から、「おお、そうだった」とタイ語を思い出し、戸棚の奥深くから、引っ張り出します。
日本語をタイ語にする方は、「つくったもの(日本語も結構あいまい)」は、「できた野菜や米」なんてごまかしながら話してていたら、途中からタイ語の「生産物=ポン・パリット」を突然思い出したりします。わからない言葉はサナンさんに、
「ソシオリズムってどう言うんだっけ?」
「んっ、サンコム・ニヨムのこと?」
「そうそう、それそれ!」
と頼ったりしながら、なんとか無事終わりました。
これでまた、タイ語は棚の奥深くにしまわれてしまいました。
サナンさんはスリン県に住み、自分も田んぼや畑をつくるかたわら、有機農家の朝市などを手掛けていますが、ちょっと名の知れたコラムニストでもあり、小説家でもあります。
お別れの日、横須賀で居酒屋「百年の杜」をもう六年半やっているMくんが、三崎港に上がった魚を持ってサナンさんを迎えに来ました。
休日は料理なんかしたくもないと言っていたのに、包丁も持って来て、家でさばいてくれました。
さすが本職、お刺身をつくった後のあら煮も、美しく盛りつけていて、美味でした。
Mくんは左利き、持参した左利き用の柳刃は、学生時代にお寿司屋さんでアルバイトしていたときに買ったものです。出刃ともう一本、包丁は三本持ってきていました。
「春さんが居酒屋やったら、包丁に凝って、絶対すっごくいいのを何本もそろえるだろうな」
と、私の性格を、すっかりお見通しでした。
楽しい週末でした。
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