家の中の動線を確保するため、妹はさらに片づけていて、もう使わないミシンは如何にも邪魔でした。
既製服のない頃、ミシンは本当にありがたいものでした。
母がそのミシンでどれだけのものをつくったか知ってもいます。でも時代が変わり、服は買うものとなりました。
私はどちらかと言えば、不器用でミシンを使いこなせない手縫い派。ずいぶん沢山の服を手で縫いましたが、最近は服を新調することもありません。古い服が、一生着られるほどあります。
作業着などは息子のお古で間に合うし、たまに寝間着やもんぺをミシンで縫うことがありますが、それ以外ミシンの出番はめったにありません。
自分のミシンも、普通サイズ、ミニと二つもあります。
以前、母の叔母が亡くなったとき、叔母の足踏みミシンも引きとったことがありました。でも、何度目かの引っ越しのとき、持ち切れずに処分しました。祖母が初月給で買ったという、大正時代の古いシンガーミシンだけは取ってありましたが、ここ八郷に来て、地下室に保管していたときに湿気させて合板がはがれ、泣く泣く分解して、脚をテーブルにして使っています。
母のミシンは、デザインも新しげな戦後のミシンで、見て楽しいという代物ではありません。
「捨てちゃってもいいよね」
「いいよ。好きにして」
残念ながら、ミシンはすぐ捨ててしまいましたが、全部捨ててしまうのは忍びないので、引き出しだけ外しました。
そして、引き出しをつけていた金具を使って、デスクとして使っている板の裏に設置しました。
この板は二間の長いもので、夫と半分ずつ使っています。
座るのに邪魔にならず、すぐ手が届いて、なかなか役立ちます。
私は、引き出しに文房具を入れています。
夫は薬入れとして使っています。
ミシンの角は丸いけれど頭をぶつけたので小さい頃の思い出です。
返信削除引き出しを開けると「ミシン油の匂い」です。
母は昔工場の二列に縫う電動ミシンを使っていたので年をとっても上手でした。
私はミシン目をつけた切符をつくり遊んでいました。
プーリーのベルトをはずして止めるところがいいですね。
昭ちゃん
返信削除昔の人はこまめに油をさしましたね。祖母なんて、油のしみ込んだ布も機械と一緒にしまっていましたから、横を通っても匂うし、油を差し過ぎて、縫いはじめは縫っている布に油がしみ出したりしました。もちろん油が出ることを見越して、試し縫いの布も入っていたのですが、面倒でついつい(笑)。
使った後、ベルトを外し忘れると叱られました。私も頭をぶつけたことがあったような(笑)。
足踏みミシンはかたかたといい音がしましたね。電動は「ウゥーーーン」だけで、味気ないです。