今年のお正月頃のことです。
一月も半ばが過ぎるころ、インドの友人Sさんからグリーティングカードが届きました。読んでみるとどうやら暮れに投函した様子、メールで確かめてみるとやっぱりそうでした。
インドからの手紙がいつも遅れるわけではありません。いつもは、存外早く着くものです。
Sさんの話では、そのときに出した手紙が全部遅れたそうでした。
とっくについているはずの手紙がついていないとの連絡があり、郵便局にかけ合いに行ったら、
「迅速に対応している」
と言われたそうです。Sさんは、
「ガンディー、マザー・テレサ、タゴールと言うインド最強のトリオでやっているんだから、しっかりしてくださいよ」
と、郵便局員に念を押したそうでした。
さて、ガンディーとマザー・テレサの切手はよく目にしますが、タゴールの切手は見たことがありません。Sさんからのグリーティングカードの封筒を確かめてみましたが、タゴールの切手は貼ってありませんでした。
もしかして、タゴールはもっと額面が安くて、インド国内だけで使う切手かもしれません。
あれから半年以上経った今頃ですが、タゴールの切手を持ってはいないかと、切手帳をひっくり返してみました。インドの切手はどれも印象が同じなので、肖像切手など、誰が誰か、見たことがあったかなかったか、あまり記憶に残らないのです。
でも、一枚もありませんでした。
マハトマ・ガンディーの切手は、よく目にする切手です。
でも、これ一種類しかなかったのですね。しかもありふれた地味な切手、インドらしい潔さです。
マザー・テレサも、よく見かけます。
あれ、今まで気がつかなかった。
ジャワハルラール・ネルー、インディラ・ガンディー、ラジーヴ・ガンディーは、なんと親子三代にわたって切手になっています。
親子二代の切手はもしかしたら、どこかにあるかもしれないけれど、三代で切手になっているなんて、この親子だけではないでしょうか。
もっとも親子三代が首相になったと言うのも、珍しいかもしれません。
全然気がつかず、どこかのおじさんだと思っていた切手は、よく見ると映画監督のサタジット・レイでした。
元同僚のMさんと一緒に、どこかの映画館で、徹夜(オールナイト)で三部作の「大地のうた」、「大河のうた」、「大樹のうた」を観たことがあります。映画館は私たちのようにもの好きな人たちで、ほぼ満員の盛況でした。
それまでに、「大地のうた」だけ観たことがありました。素晴らしい映画でしたが、「大地のうた」が素晴らしかっただけに、次作はどうかと半信半疑でしたが、見ごたえがありました。大満足でした。
しかし、なにせ一本が二時間半とか三時間の超大作で、一本見ただけでどっと疲れるほどの映画を三本立て続けに見て、次の日の仕事はどうだったか、昔のことで忘れてしまいましたが、考えるだけでぐったりします。
ネットで見ると、今でも三部作のDVDは売っています。 久しぶりに主人公のオプーに逢いたい気もするけど、家で見るとなると長すぎて、しょっちゅう中断しそうです。
『大地のうた』だけは本も持っているので、引っ張り出して読み返しましょうか。
春さんは相変わらず話題が豊富ですねー
返信削除いつも感心して見ております。
インドといえばマハラジャ映画
これでもか、これでもかっと、アクションとダンスの連続。
もう20年ぐらい前ですね。(笑い)
昭ちゃん
返信削除1980年にビルマに行ったとき、どこの映画館でも、インド製のマハラジャ映画がかかっていました。
でも私が好きなのはサタジット・レイ。汚い映画館で、白黒大画面に、これでもかこれでもかと続く貧乏生活の話。思い出しただけで、わくわくします(笑)。
第一部はオプー少年の貧乏な子ども時代の話ですが、二部では友人の村に遊びに行っていた学生のオプーが、軽い気持ちで村の結婚式に参加していたら、結婚式に向かっていた新郎が道の途中で狂い死して、このままでは花嫁は一生結婚できないからと、年の合うオプーはその花嫁と無理やり結婚させられてしまいます。
あわれなのは花嫁の方で、豪農の娘で何一つ不自由なかったのに、いきなり狭い汚いアパートで女中もいない貧乏暮し、最初は泣いてばかりいます。でもやっと二人に愛が芽生えて、貧しくても楽しく暮らしていましたが、花嫁はお産で死んでしまいます。
暗い?いえいえ、とっても美しい映画です。機会があったら見てください。長いけれど。