2015年3月20日金曜日

セルロイドの招き猫


骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんの店をのぞくと、
「最後の一個だよ。いっぱいあったけれど、売れちゃった」
と見せられたのは、狐顔のセルロイドの招き猫でした。
あらっ、残念。ほかにもいろいろあったようでした。

冬の間、骨董市の開かれる日の朝行ってみても、骨董屋さんたちが品物を並べている最中だったり、お天気がはっきりしない日など、半分も出していない店ばかりのときもありました。
それなら、ゆっくり行けばいいやと、すっかり出足を遅くしていましたが、もう春、みんな朝早くから出揃っているようでした。


最後の一つということは、今でもおもちゃ屋さんやおもちゃ問屋さんから、デッドストックが出てくるということです。
「お店は、いったい何年前に閉めたんだろう?」
今でも、さわださんの品揃えを見ると、あちこちに、デッドストックが残っているらしいことがうかがえますが、なんか奇妙なことにも思えます。

セルロイド製品は、そのほとんどが小さな町工場でつくられました。
そのため、一口でセルロイドの招き猫と言っても、いろいろな型のものがあります。


この二つは、同じ工場でつくられ、絵つけされたものでしょうか。よく似ています。


黒い猫の大きい方は、その上の三枚目の写真の猫とよく似ていますが、手足の先を見ると、つるんとしていて、型が違うことがわかります。


そして、熊顔で、頭が大きい猫と、頭の小さい猫。招き猫と言っても雰囲気が全然違います。
 

セルロイドは、キューピーや女の子人形が主流ですが、こう見ると招き猫もずいぶんつくられていたものです。
もしかして、子どものおもちゃとしてつくられたのではなくて、歳の市に売られる熊手などにつけられたものだったのかもしれません。




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