骨董市で、まことさんが、巻き編みの籠を持っていました。
この大きさ、この形の籠は使いやすいのですが、飾っておくには不向きです。高いところに飾って横から見てもつまらないし、立てかけられないし、場所をとるし。
そして、使うなら?あぁ、使うなら、同じくらいの籠がいっぱいあって、とっかえひっかえ使っても不自由しないほどです。
素材は小麦の藁と蔓のようです。
巻き編みの籠はアフリカに断然多いのだけれど、日本にもあります。
そして、これは材料から見ると、日本のものに見えます。
しばらく前まで、小麦の藁はありふれたものでした。
私の祖母の家の納屋の屋根は、萱ではなく小麦藁で葺いてありましたし、お盆に送り火とともに川に流した舟も小麦の藁でつくりました。
何より、「日本のものかな?」と思わせるのが高台(こうだい)です。
細い木や割いた木を底に足している籠は、よく見かけますが、巻き編みの籠で、高台のついている籠は見たことがありません。
「資料としては面白いけれど、必要ないしなぁ」
と心の中で思っていたら、それを見透かしたようにまことさんが、
「1000円!」
と、かわいい値段を言います。
「まことさん、私がものをいっぱい持っているのに、まだ欲しがるって非難していたじゃない。勧めるの?」
「はははは」
というわけで、この籠は我が家に来てしまいました。
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