夜半に風が吹き荒れた次の日、籠玉は無残な姿をしていました。
雨も降らないからと出しっぱなしにしていた鯉のぼりの吹き流しが籠玉に絡まり、小さな玉がいくつか折れて、落ちてしまったのです。
「あぁぁ」
夫がすぐ直すと言います。
ウインチを設置できるようにつくってあるので設置して、西側にしか倒れないようにして、竿を倒しました。そして、落ちてしまった籠玉を銅線でくくりつけます。
そこまでは、比較的スムーズに行きました。
でも、竿を立てようとすると、立ちません。途中からは、前もウインチで引っ張るだけでは持ち上がらなかったことを思い出しました。倒れようとする重力の強さに、ウインチが負けるのです。
ユンボを持って来て、竿の真ん中より上を少し吊り上げて、吊り上げた分だけウインチのワイヤーをしっかり張ります。でも、ユンボの首はある程度しか高く上がらないので、吊る位置を根元の方に少しずらさなくてはなりません。
これを何度も何度も繰り返しました。
やっと峠を越えて、竿が立ち一安心しました。
それにしても、重力に逆らうのはたいへんです。昔の人はこれを全部人力で、隣近所総出でやったというのですから、すごいものです。
鯉のぼりは、なにごともなかったように、元気に泳いでいます。
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