2015年4月9日木曜日
石けり(二)
断片的には書いたことがあったけれど、石けりのこと、これまで「石けり」として書いてはなかったようでした。
日本での石けりの歴史はとても新しいもので、明治の初めに、教育的遊戯としてヨーロッパから導入されたそうです。
それが、 国内に古くからあった片足跳びの遊びと結びついて急速に発達しました。
石けりの石は、最初は自然の石のなかから丸い平たいものを選んでそれを使いましたが、明治中期以後はガラス工業が盛んになり、丸い、色のついた偏平なけり石が、玩具店で売られるようになり、子どもたちの人気を得ました。
石けり遊びは、もともとは、石を蹴るのと投げるのが混じった遊びでしたが、そのうち二つに分解し、ある地域では投げるのと片足飛びの組み合わせの石けりが、またある地域では石けりを蹴る遊びになったそうです。
私が遊んだのは前者だったのです。石けりと言いますが、蹴らずに投げるだけでした。
ネットで『伝承遊び考2石けり遊び考』(加古里子著、小峰書店、2007年)というおもしろい本を見つけました。
でも高い!
6,480円もするので、残念ながら買えません。今度、どこかの図書館で探してみようと思います。
本の内容は、明治期に導入され、昭和期に一斉に数を増やし、1980年代以降に急速に衰微した石けりの盛衰の背景を、古今の他の遊びや海外の石けりとの関係、社会状況などから考察し、「大正けんぱ」、「かかし」、「歌ケン」などのさまざまな遊び方を分析し、石けり遊びに秘められた子どもの姿をさぐっているそうです。
Amazonの説明文をよんだだけでも、とってもおもしろそう。わくわくしてしまいます。
加古さんは、石けりのような伝承遊びは、どれも子どもたちの力でつくられ、支持されたから伝えられてきたと記していらっしゃいます。
たとえ誰かがどこかで遊び方を思いついたとしても、他の子の共感がなければそれは消滅し、絶えてしまいます。したがって遊びの背景には、つねに無名の子どもたちの判断と選択があり、それによって遊びが伝えられてきたというのです。
うぅん。ただの遊びも奥が深いです。
さて、横綱大鵬は読みやすいのですが、
柏戸はどうやってもはっきり読めるようには写せませんでした。
おばけのQちゃん。
野球のバッターと早稲田の頭文字のW。
早慶戦ですから、慶応もあるのですが、持っていません。
この男の子は、漫画のヒーローかもしれませんが、誰だかわかりません。
それぞれ、色ガラスを混ぜてある上にエンボスまでついているので、このシリーズは、顔であることぐらいしかわかりません。
前髪を垂らした、元服前の侍の子ですが、誰だかわかりません。
「何だ、いったい?」
キャラクターはさっぱりわかりません。
「あなた、誰?」
『伝承遊び考2石けり遊び考』の、収集資料は33,000点だそうです。
石けりの遊び方は、カカシ、十字架、おでん、はなやま、うずまきケンパ、ぐるぐるケン、どこゆき、まといれ、瓦あて、陣とり、おんせんケンパ、タンスとび、石段ケン、8とび、メロン、週間カレンダー、天下とび、天王寺まいり、くつとりケン、一歩二歩、歌ケン、音楽とび、対抗ケンなどなどあったそうです。
また、この本ではペルー、フィリピン、ロシア、イギリス、スペインの石けりも紹介しています。
こちらに来てから、一度も図書館の本を借りたことがないのですが、見たい!見たい!
とっても楽しみですが、さてどこの図書館に行ったらいいのでしょう?
ちなみに、日本ではおもに女の子の遊び(地域によって違うかもしれない)ですが、ウズベキスタンでは男の子たちが遊んでいる写真を見ました。
追記:
記述に間違いがありました。
早慶戦の石けりで、Wマークの早稲田しか持っていないと書きましたが、バッターの右に慶応のKも陽刻してあります。
つまり一つのおはじきで早慶戦だったのです。
後日、おもちゃ骨董のさわださんの店で、
「デッドストックが出てきたから」
とたくさんの早慶戦の石けりを見ました。私の持っているものは全体に陽刻が右に寄っていて、Kが見えにくかったのですが、WとKが全部についていました。
いっぱいお持ちですね。そして「あんた誰?」が多くて可笑しい!
返信削除今の図書館はPCで蔵書検索できますから、事前に在庫を確認して行くといいですよ。ちなみに石岡市中央図書館に在庫していますが、貸し出し禁止になっているので、閲覧のみだと思います。神奈川に住む私が石岡市の図書館も調べられるなんて、おそろしく便利。
私はPCでお気に入りに登録しておいて、蔵書検索の他に、返却期限や、返す時に漏れがないかチェックに使ったりします。
hiyocoさん
返信削除ありがとう。けっこうPCを駆使しているつもりで、全然気がつかなかった(笑)。石岡がダメなら、笠間か水戸ですね。でも、あんな高い本だから、ぜったい詳し過ぎるくらい詳しいだろうから、まずは閲覧だけで十分かもしれませんね。行ってみます♪
伝承遊びも、今はネットで伝える時代です。綾取り、折り紙、おはじき、独楽回しの遊び方、どれもネットでは見つかるんだけど、子どもたちは全然遊んでいないって、ちょっと哀しいですね。
息子(小4)はゲーム、テレビ、マンガ三昧ですが、あやとりや折り紙も好きですよ~。この1月~3月はクラスであやとりが大流行。クラスの3分の2が男子ですが、男女ともみんな毛糸で輪っかを作って四六時中やっていたようです。息子は今日もテレビを見ながらひとりあやとりをやっていました。天井には折り紙手裏剣がたくさん貼ってあるし~。あやとりの前はけん玉ブームでした。
返信削除放課後の遊びはほとんどゲームの子供たちですが、意外と昔遊びも好きなようです。ネットなら無料でいくらでもお手本が手に入りますが、PCを占領されたくないので(私の都合!)本を何冊か買ってあります。犬の散歩から帰ってくると、折り紙の作品がいくつかできていることも!
hiyocoさん
返信削除わぁ、素敵なお話ありがとう。子ども力は衰えていないんですね。
一生懸命遊ぶって、本当に素敵なことです。あやとりなんて、あやとりとして遊ぶだけではなく、自分の持っていない毛糸と友だちに交換してもらって、たくさんのあやとりを小さな輪にしてつなげて、その色どりを楽しんだりもしていました。
どの遊びにも、それに付随した別の楽しみもありますね。子どもどうしで遊んだら、そんなのがいろいろ見つけられることでしょう。素晴らしい!