2015年5月21日木曜日

素敵な暮し

先日、Bさんの家に遊びに行きました。
Bさんは86歳、背が高くて姿勢がよく、今でも美男子の面影濃く、おしゃれでかっこいい人です。
その昔は都で風を切って歩いていた人で、雑誌の企画・出版など、新しい文化をつくりだす仕事をしていましたが、四半世紀前に八郷の、しかも山の中の一軒家に移住、以後書家として暮していらっしゃいます。


そのBさんちの囲炉裏です。
普通、囲炉裏の火は真ん中におこしますが、Bさんは火を片寄せています。これだと、右手に座ったBさんが、手を伸ばさなくてもお湯を使えるというわけです。

最初、重い鉄瓶をどうやって持ち上げるのだろうと思った私は浅はかでした。Bさんは柄杓を取り出して、それでお湯を汲みます。お湯が足りなくなったら、柄杓で水を足します。

それに、立たなくても炭が足せるように囲炉裏の中に炭置き場をつくり、火消し壺も灰に埋められています。


古い家の囲炉裏の周りは、Bさんの書いた書、絵、彫像や壺などが、国籍も時代も様々な、お盆、たかつき、お皿、台、布、などの上に飾られていて不思議空間なのですが、ところどころにヒョットコのお面のような軽いものもあります。
なにもかもおもしろく、私はたずねたいことがいっぱいあったのですが、Bさんと夫がずっと哲学的な(?)話をしているので、
「これは、何ですかぁ」
などと、気軽に口をはさむ隙がありませんでした。


この煙草盆に収まったピエロは、特に異質でした。
もっとも、あとで別棟の書を保管しているところを見せていただいたら、壁にBさんの描いたピエロらしい、鮮やかな色遣いの油絵が飾ってあったので、なにかピエロに特別な思い出があったのかもしれません。







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