2015年11月15日日曜日

戻ってきた向付


またまた、ほん陶さんのお世話になってしまいました。

カンボジアに渡った中国の清時代のお皿は、直径16センチと手元皿として使いやすいため、出番が多いものですが、家に乱暴に扱う人がいて、気がつくと縁が欠けています。
といっても、魚模様のお皿、小さい方は、もともと欠けていました。
ステンレスの水切り籠では縁が欠けやすいので、アルミの水切り籠を使っていますが、それでも、台所からがちゃがちゃという音が聞こえると、ひやっとしてしまいます。

2000年ころまで、プノンペンでさがせばこの手のお皿は手に入りました。
とくに魚の模様のお皿はありふれたものでしたが、2010年にプノンペンに行ったときは一枚も見かけませんでした。
町自体が開発が進んで、古くさいスタイルの銀細工+骨董の店の並んだ通りは、すっかり変貌していました。


龍のお皿は、今回割れたのではないけれど、Jさんに継いでもらったものがはがれたので、お願いしました。


以前の詰め物をはがす作業があるので、欠損充填費より、接着剤除去費の方が高くつきましたが、きれいになおりました。 
 

さて、嬉しかったのは、ほん陶さんに一年前くらいに送った向付が同封されていたことでした。
この向付は、フランス骨董屋さんからいただいたもの、よく使っていたのですが、手が滑って床に落ち、三つに割れてしまいました。

金継ぎは1センチいくらという修理代です。ほん陶さんに送って修理代を聞いたところ、揃いの小鉢や向付が買える値段だったので修理を断念、「申し訳ないけれど捨ててください」と、お願いしておいたものでした。
 

それがまさか、一緒に入っていようとは、思いませんでした。
 
 同封のお手紙には、
「練習がてらなおしてみました。よろしかったら、普段づかいでお使いください」
と書いてありました。
普段づかいもなにも、いったんあきらめたものが美しく生まれ返って帰って来て、嬉しいことこの上ありません。
世の中っていいもんだなぁと思うのは、こんなときです。


金継ぎした向付は、前より風格を増して帰ってきました。
木の器といい、瓢箪といい、焼きものといい、なおしたものの方が魅力的なのは、それだけ手をかけたということでしょうか。







2 件のコメント:

  1. 春さんこんにちは。
    引っ越しのどさくさに紛れて、私もほん陶さんに思い切って三つの器を治していただきました。使いたいけどドキドキして、まだそうっと取っておいています。
    本当に感動するできばえでした。
    いつかブログにアップしたいなと思いつつそのままで汗。
    春さん、素晴らしい治し手さんを教えてくださってどうもありがとうございました。

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  2. toki-sappさん
    わぁ、お久しぶり。ときどきブログを覗いてみたりしていますが、お仕事がお忙しいのかなと思っていました。お元気ですか!お元気ですよね。
    なおしをほん陶さんにお願いしたんだ!確実でいい仕上がり、素敵だったでしょう!私はいつも大満足です。
    今回直していただいたものを、写真に撮ろうと食卓に置いておいたら、なんとその日に使われていて(汗)、焦りました。「二週間はダメよ!」と釘を刺し、すぐにスポンジで軽く洗いましたが、漆は何ともなかったようです。固まれば、気にせずに使っていいのではないですか。もしはげたら、またなおしていただけるみたいだし(笑)。気に入った皿小鉢がなおってくるのって、新しいもの以上に愛おしいですよね。
    ブログ、楽しみにしていますね♪

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