晴れた日には、土間の鏡に、足尾山がくっきりと写ります。
ところがうまく写せません。
足尾山が写ったら、室内が真っ暗になりました。
本当は、上くらいの室内の明るさで、下のようにくっきりした足尾山なのですが。
どちらもと思うと、ちょっとずつ写りました。
西の窓から直接見た、筑波連山の中の足尾山です。
『常陸国風土記』には、「葦穂山」(おはつせ山)とあり、平安時代に醍醐天皇がこの山の神社に祈願すると、足の病が治ったことから、「日本最初の足尾神社」の勅額
を下賜したため、「足尾山」に改称したとあります。
かつては、お隣の加波山と共に、天狗の山として知られていました。
麓の集落は、今も葦穂という名前です。
麓に住む有機農家のSくんは、ときどき、歩いて足尾山に登るそうです。
往復で半日の距離だとか、今は頂上に神社はありませんが、足の病が治癒した人たちの収めた松葉づえ、靴、義足などを積んだのが遺っていて、風雨にさらされています。
この土地に来てから気づいたのですが、足尾山は我が家の真西にあります。
地図上で真西とは知っていましたが、六年前に友人のイエンスが遊びに来たとき、足尾山の頂上に登って測ると、我が家と同じ北緯36度16分49秒だったのです。
イエンスは、ヨットに乗っていたので、知らない土地に行くときは、いつも磁石を持っています。
冬至に陽が沈む筑波山にも、夏至に陽が沈む加波山にも、もちろん親しみを持っていますが、春分と秋分に陽が沈む足尾山は、我が家にとって特別な山です。
山岳宗教につながる話は面白いです。
返信削除元祖は「役の小角・えんのおづぬ」ですね。
ちょっと飛躍しますが
山伏は檀家まわりにお札のほか薬草や骨つぎも秘伝です。
昭ちゃん
返信削除お隣の加波山は、山岳信仰で有名な山ですが、もともとは足尾山の方が山岳信仰の山だったと聞いたことがあります。
山伏もいたでしょうけれど、冬になるとマタギもいたそうです。山のものと里のものを交換したとか、たった数十年前のことですから、なんか、ため息が出ますね。