アフリカの巻き編みの籠です。
厳密には、アタのように、太さがある、比較的長い素材を芯にして、縫い綴じていくのを「巻き編み(COILING)」と言い、草など、細くて、比較的短い素材を何本も束ねて芯にしたものは、「束ね巻き編み(BUNDLE COILING)」と、区別するようです。
アフリカの籠たちは、イネ科の草の稈(かん)を束ねて芯にしていますから、すべて束ね巻き編みということになります。
上がスーダン、下右が南アフリカ(ズールー)、左がエチオピアの籠です。
縫い綴じる草を染めわけることによって模様をつくっています。
アフリカ一帯の、束ね巻き編み籠の特徴です。
芯にも、縫い綴じにも、同じ草を使っていて、縫い綴じている草は見えますが、芯になっている草は見えません。
エチオピアの籠は、大きなクレープのような主食インジェラを何枚か重ねて乗せるための、足のついた皿形(高坏形)の籠がもっとも一般的で、大きいものは直径60センチ以上あります。形崩れを防ぐため、縫い綴じを密にして、固く固く編んでいます。
籠の高坏は、大きいのに軽くて、木や陶器でつくるよりずっと使いやすいのです。
これもエチオピアの籠ですが、縫い綴じ方を変えて模様を出している、珍しい籠です。
この籠をどんなところで見つけたか、よく覚えていませんが、エチオピアの南部へ行く途中の町で、埃をかぶっていたものでした。
最初から色褪せていましたから、誰も欲しがらないで、何年も置いてあったのでしょう。
こんな編み方をしたためか、あるいは偶然か、芯材が見えているところがあります。
スウェーデンの、白樺の根を巻き編みにした籠です。
芯材は見えません。
ただ、デンマークの博物館で見た巻き編みの籠は、ほとんど芯材が見える籠でした。
ペルーの束ね巻き編みの籠です。
アンデスの高地、チチカカ湖周辺に生えるチリワというイネ科の草を束ねて芯にして、同じ草を綯った(なった)縄で縫い綴じてあります。
芯材がしっかり見えています。
日本の小麦わらの籠も、芯材が見えています。
芯材が見えるように粗く縫い綴じる方が、短時間でつくれることでしょう。
芯材が見えないほどに密に縫い綴じた籠はかっちりと形が決まり、もちろん丈夫になりますが、粗く綴じたものは、柔らかでしなやかな籠になります。
それにしても、太古から続いた縄づくりや籠づくりが、人々の生活になくてはならないものとして、こんにちまで続いてきていることの不思議さに、改めて感動してしまいます。
籠の中に入っているミフクラギじゃない方はなんですか?ニッパヤシ?グアムで見て何かわからなかったものがちょうど載っていてびっくり。
返信削除hiyocoさん
返信削除ピンポーン、ニッパヤシで~す。
波にもまれてすり減ったのもかわいいけれど、しっかりしているのもかわいいですね(^^♪
グアムはビーチやサンゴ礁みたいだったけれど、ニッパヤシの生えている汽水域もあったのですね。数日前にニッパヤシの葉っぱをUPしたばかりでした。
グアムの地図を眺めてみましたが、私がニッパヤシの種子を見た最北端のビーチの周りには川はありませんでした。というか北半分にはおそらく川がありません。その代わり南半分がジャングルなのでそちらは川だらけ。そこからぐるっと北上したのか、隣のロタ島から流れてきたのか、どちらにしても旅した種子だったようです。でもツヤツヤでしたよ~。
返信削除hiyocoさん
返信削除私もグーグルアースでグアムを見てみました。航空写真だけでストリートビューは出ませんが、南のウグム川の河口を見たらマングローブ林、ニッパヤシ林みたいなのが見えました。ニッパヤシの実は、グアムに生えていたものなら、海岸線に沿って、短い旅をしたんですね。
それから、飛行機に乗って日本まで、今度は長い旅をしたんでしょうか(笑)。
種子類は検疫がねぇ。。。ニッパヤシはそのままグアムに(と言いつつモクマオウも持ってきちゃったけど)。海をどんぶらことやって来る分にはノーチェックなのに!ですね。
返信削除hiyocoさん
返信削除そうか、グアムって検疫が厳しいところですか。って、あれっ、調べられるのは日本でだけかな?いつもいっぱい運び込んでしまった私って、ルール違反だったのですね?(笑)。
さすがに最近は、そこいらにあるものに包んで持ってきて、壊れたら壊れたであきらめていますが、その昔はわざわざタイのもち米入れの軽い籠やフィルムのケースを種入れとして持って行き、それに入れて壊れないようにせっせと運んできていました(^^♪