エチオピアの木のボウルがオモ渓谷で使われていたものと聞き、オモ渓谷を調べていて、知ったのは、ムルシ人とスルマ人の身の飾り方でした。
この地に通って、彼らの写真を撮り続けているハンス・シルベスターというドイツ人が、写真集を出ていると知り、買ってみました。
『ナチュラル・ファッション、自然を纏うアフリカ民族写真集』(ハンス・シルベスター著、武者小路実昭訳、ディスクユニオン、2013年)です。
ムルシ人とスルマ人の素晴らしい装いと、ハンス・シルベスターの素晴らしい写真とに、ただただ見入ってしまいました。
彼らの装いの基本は、様々な色の泥を絵の具としたボディーペインティングをして、自然界にある動植物を飾って仕上げます。
毎日同じ装いをするのではなく、毎日創作して毎日消えていくものです。水で溶いた泥はすぐ乾くので、全身を塗るのに、わずか一分ほどしかかかりません。
もともとは、虫除けなど身を守ったり、狩りのときに目立たないように、自然に溶け込むための装いだったらしい。魔除けという意味もあったようです。
それが、生き生きと発展していきました。
鏡はなく、水も泥で濁っていて姿を映すことはできず、自分で自分の姿を見ることはできないので、人の評価で自分の装いの良し悪しを知ります。
背中や顔は、自分では塗れないので、二人以上、数人で、お互いに塗りあいます。
しかし、こんな楽園も、地球が狭くなったことからは免れることができません。
ケニアからくる観光ツアーを迎えるようになり、生活は変わってきているそうです。
じっくり眺めると良い写真ですね、
返信削除昭ちゃん
返信削除素敵ですよね。生きている歓びが伝わってくるような。
ガーナやビルマで、生花や新鮮な葉っぱで身体を飾っている人たちを見ました。朝のうちは、ドキッとするくらい新鮮なのですが、夕方になるとしおれます。それもまた風情がありましたよ(^^♪