2016年6月25日土曜日

着物の染め型紙

先日、北条の矢中の杜に、毎年恒例となった「手ぬぐい展」を見に行きました。
今回は縁起物の手ぬぐいを中心に、縁起物の郷土玩具、それに北条の染物屋さんに残っていたという、染色の型紙が展示されていました。
また、以前、少女のおもちゃが飾られていた戸棚には、手ぬぐいに関する本が展示してありました。手ぬぐいに関する本って結構あるんですね。

さて、ちょっと前まで、どんな町にも染物屋さんがありました。
我が家のお隣のちよさんから、ちよさんのお母さんが織ってくれた木綿の反物を、地元の紺屋で染めて仕立てた着物を持っているという話を聞いて、見せてもらったことがありました。
かつて、反物を染めてもらうのも、薄い色の着物を染め直してもらうのも、当たり前のことでした。


北条の染物屋さんに残っていた渋紙の型紙は、どれも手の込んだもの、かつてはこんな型紙を彫れる人がたくさんいて、日本全国の染物屋さんに供給できていたということに、改めて感動してしまいました。
流水と桜、素敵なバランスです。


その桜の型で藍染めした布です。
朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の滝子さんも、こんなお布団で寝ています。


実った稲束と、雀。
たくさんの型紙のどれもが素敵でしたが、雀を配してあるところが、なかなかのものです。稲の収穫を考えると、すぐに雀が思い浮かぶほど、お米と雀は切っても切れない関係にあったのでしょう。少しでも多くお米を収穫したい農家にとって、雀は憎い敵だったはずなのに、なぜか雀への愛情が感じられます。

雀は人里にしか住めません。ツバメ同様、人家の近くで子育てして、雛をカラスなどの敵から守ります。
しかし、雀が巣をつくってきた茅葺屋根はなくなり、瓦屋根の下には、近年では必ず雀除けをつけるので、雀の巣をつくる場所は狭められてきました。 そのため、雀の数は、近年激減しているようです。
我が家も雀除けをつけています。母屋が建ちあがったころは、雀が瓦の下に入れないかと探っていましたが、あきらめざるを得なくて、今は家の周りに雀はいなくなりました。


雀の型紙を使って藍染めした布です。







4 件のコメント:

  1. 永ちゃんの話の中で
    「権兵衛がタネまきゃー烏がほじくる、」
    そのつづきは「三日に一度は追わづばなるまい」と
    動物と人間の共存話に続けましたよ、
    坂本九ちゃんの話も面白かったです。
     (春さんのスズメ話で思い出しました)

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  2. 昭ちゃん
    こんなに雀を愛でるのは、やはりともに生きている、生きざるを得ないという気持ちがあったと思います。でも、ときおり雀を霞網で捕まえて美味しくいただいたりしてね(笑)。
    学生のころ、上野のお山に雀を食べさせる店があったけど、今はないでしょうね。

    先日ラジオで聴いたのですが、家にツバメが巣をつくらなくなったと思っていたら、新幹線だったか高速道路だったかの高架橋の下に、まるで団地みたいにツバメの巣が並んでいたのですって。雀もいい住処を見つけてくれたらいいのに、雀は明らかに減っているそうです。しかも雀には縄張りがあって、棲んでいる村が廃村になったりしたら、別の村には移動できないのだそうです。悲しいですね。

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  3. すごく素敵な型紙!全部手でくり抜いているんですよね?雀の方は面白くていいですね。雀が減っているとか縄張りがあるなんて知りませんでした。

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  4. hiyocoさん
    桜の花びらは、花びら型の刃物で押し切りしたのではないかと思いますが、見ると、結構バラエティーに富んでいますね。流水は小刀で刳り抜いたのでしょう。感心するばかりです。
    雀のことは、もう何年も前にテレビで見ました。無人になった村の雀がどうするかというテレビでしたが、哀れでした。例えば一番山深い村が廃村になって、その下の村に雀が行こうとしても、縄張りがあるので行けないのです。
    うちでも、モチキビをつくっていたときは雀がいっぱいきました。茎にとまって、うまく種だけを食べていました。でも、今は山鳥ばかりです。

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