林明子さんの絵本の中に、マトリョーシカを見つけました。
『とんことり』(筒井頼子さく、林明子え、福音館書店、1986年)は、引っ越しした「かなえ」のお話です。
引っ越し荷物を片づけているとき、かなえは「とんことり」という音を聞きます。
左下の方、おもちゃ入れの中に、青い、丸いものが見えますが、これでは、マトリョーシカかどうか、はっきりしません。
次の日は上を向いているので、青いスカーフ(プラトーク)を被っているマトリョーシカと、はっきりとわかります。
その次の日も、お母さんは片づけで忙しそうです。
友だちがいなくてつまらないかなえは一人で絵を描いていますが、絵を描く前にはマトリョーシカで遊んでいたようです。
お母さんに連れられて新しく通う幼稚園を見に行ったけれど、知らない子ばかり。
幼稚園から帰って、かなえは、「とんことり」の音とともに、すみれ、たんぽぽ、お手紙をくれたのは誰かなと思いながら、一人おはじきで遊んでいます。
マトリョーシカはおもちゃ入れの中です。
さて、かなえがお母さんに連れられて幼稚園に行ったときの場面に、楽しい秘密が隠されていますが、それは『とんことり』を読んでのお楽しみです。
もう一冊は、『ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ』(マーガレット・ブラウン/坪井郁美ぶん、林明子え、ペンギン社、1984年)の冒頭の絵の中です。
「あそびにおいで」
と電話をもらった「ぼく」が、一人でおばあちゃんの家に歩いていく物語です。
おばあちゃんは、
「家の前の道をまっすぐまっすぐ歩いておいで」
と言いました。
ぼくは、道をどこまでもまっすぐに歩き、林を抜け、小川を渡り、山を越え、いろいろなものに出逢いながら、おばあちゃんの家にたどり着きます。
そのぼくの家の本棚の中には、ハンプティ・ダンプティ、ライオン、飛行機、ミニカーなどとともに、マトリョーシカが見えていました。
えー、気が付きませんでした。
返信削除急いで、家にあった「とんことり」を見返してみました。子供が小さい時の絵本です。ありましたね(^^)。
「今日は何の日」も見返してみました。林明子さんの絵は、普通なら省略されそうな、ひっくり返ったスリッパとか部屋の桟(というのかどうか、昔のうちにはあったなあ…)の上の羽子板とか…当時は気が付かなかった細かいところまでの描写が素敵です。
とんことり、も最後の子供の笑顔が素敵です。あそこを開くと気分がぱーっと明るくなります。上手だなあと、当時もため息をついたものです。
karatさん
返信削除karatさんちにもあったのですね。
マトリョーシカにはすぐ気づきましたが、「とんことり」で、お母さんと一緒に幼稚園に行ったときの絵の中に、あんな素敵なものが隠されているのには、全然気づきませんでした。
本当に絵がすごい!緊張している子の、足の親指への力の入り方とか、コンセントとコードとか、いちいち嬉しくなってしまいます。