2016年9月29日木曜日

古い棚


その昔、私たち家族が、東京の郊外で暮らしていたときも、棚や家具の大半は手づくりでした。
まだ、周りに空き地があったから作業できましたが、少ない工具で、あまりやったことのない棚づくりは、結構大変でした。
とくに居間の、天井まで届く飾り棚は大きく(4メートル近かった)、部分に分けてつくってから、床に寝かせて繋ぎ、それを必死で二人で立てたという力作でした。


半地下、一階、中二階という間取りで、子どもたちが大きくなって寝室を増築するまで、みんなで中二階に寝ていました。
その奥の棚は、私が一つづつつくっては嵌めていったもので、四つに分かれています。


食卓や階段の踏み板は、ガーナから帰国するおりに荷物を梱包した梱包材を利用してつくりました。
これはとても堅い材だったので、削ったり切ったりするのは大工さんにやってもらいましたが、鋸の刃がこぼれたほどだったそうでした。
テーブルの天板は、ボンドをつけ、播金で抑えて接着してありました。


思い出の家ですが、今はもう跡形も残っていません。


さて、こちらは大きな大工道具を移動させ、がらんとはしているものの、まだ片づけなくてはならないものが雑然と、いっぱい残っている仮設木工室です。
三年前の大雪でフレームがつぶれたものの、もう長くは使わないからと、あまりにも曲がったものはユンボで押し上げて伸ばし、そのまま使いました。そのため、角度がついていないのでビニールは傷みやすく、周りからは木や草が侵入して、めちゃくちゃな状態になっています。


その仮設木工室に並んでいるのが、昔の家から運んできた棚です。
大工道具の数々を収納するのに重宝しました。その大工道具たちはすでに、ほとんど作業棟に移してしまいました。
 

釘など置いていた棚は、ビニールが破れると雨が降り込み、釘箱に水がたまったりしましたが、これもすでに移してしまいました。


消耗品入れの小引き出しの中のものもあらかた移しました。


テーブルソーの脇の棚にまで、昔の棚をつかっていました。

それにしても、仮設木工室は、植物が侵入する、おがくずや鉋屑がたまる、ものもたまる、ときおり雨も降り込むで、本当に限界が来ていました。
この植物の中に、まだ糸鋸などが残っています。
やれやれ。
片づけても、片づけても片づきません。


で、とうとう長い間役だった棚を処分するときがきました。


板状で取ってあったものは、まだ再利用するつもりですが、ボンドをつけて釘を打ち、釘隠しまでしてある材の廃物利用する時間と根気がありません。
長い間、ありがとう。








4 件のコメント:

  1. 昔のおうちも素敵ですねーーー!リビングの天井が高いから外国の家のようです。半地下と中2階は囲われた感じもよさげ。お子さんの部屋を増築したんですね。昨日たまたま古い雑誌を引っ張り出して読んでいたら、芦原義信さんという建築家の平屋15坪の家が増築でどんどん変化していく記事を読んで、自由だなぁと思ったところです。

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  2. hiyocoさん
    お金に余裕がなくてT字形の家をつくりましたが、そのときからH字形に増築予定でした。Tの下の先にはお風呂とトイレだけで、何年か過ごしました。その後、両脇を広げて、二つ寝室をつくり、全部で9年住みましたが、その後外国やら日本の別の地域で暮らしているうちに、都会とか郊外住宅地で暮らす気がなくなってしまって、売ってここに来たというわけでした。
    とっても気持ちいい家でしたが、住んだ時から、窓枠を伝って雨が室内に入ったりして(笑)、雨の日が嫌でした。夫も私も経験がなかったし、日本で庇のない家は合わないと思わなかったのでした。
    でも、子どもたちには人気でしたよ。増築してからは、増築部分も半地下だったので中庭から屋上に出たり、入ったり。
    最後は息子が住んでいましたが、手放したあと、壊されて建売住宅が建てられました。

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  3. いまさらの質問ですみません。日本では庇があった方がいいのはどんな点ですか?
    今って庇がない家が多いですよね。うちのスレートの屋根が傷んでガルバリウムを重ね葺きする際、1階2階両方に庇がある我が家に比べて、今時のストンとした家は屋根面積が小さくて修繕費が安いことに気が付きました。でもやっぱり光が入りすぎる家はどうよ?と思うのです。

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  4. hiyocoさん
    いま、敷地が狭いことから、建坪を増やそうと庇が短かったり、ない家が建てられているのではないでしょうか。そして、エアコン前提、窓を開けないこと前提ですね。むしむしする雨の日に、エアコンなしで窓を閉め切っては生活できるものではありません。
    庇がなくて一番の問題は雨仕舞です。直接壁や窓枠に当たる雨は、サッシや大壁(構造体を覆う壁)で対処していますが、実際には対処しきれているかどうか。屋根の修繕費が安い分、壁も窓枠も傷んで、耐用年数は低いと思います。
    最近、アルミサッシが断熱効果が悪すぎて建築基準に合わないことになりました。樹脂製に変えられているそうですが、庇がないと我が家のような木のサッシは無理ですね。
    光はエアコンがないと、特に冬に奥まで入るのはありがたいですよ(笑)。庇があっても入ります。紫外線の害が言われていますが、私は動物はやっぱりお陽さまに当たるのがいいと思う。そうやって何万年も命をつないできたのですから。
    私たちの古い家は、エアコンなしで庇なしでした(笑)。

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