今年も盛大にひこばえが伸びて、この季節でも緑の田んぼが多い中、暗渠(あんきょ)をつくっている田んぼがありました。
八郷では、35年ほど前に大規模な農地改良をして、給水パイプをはりめぐらし、蛇口を各田んぼにつけました。そのおり、小さな田んぼを統合して大きくして、再分配しました。
幹線道路のあたりでは、水道水を田んぼに供給していますが、我が家のあたりは谷あいなので、川の途中に堰をつくって水をため、その脇にポンプ小屋を建てて、堰にたまった水を田んぼに供給するシステムになっています。
もともと、谷あいに広がる谷津田は、どちらかというと、水はけが悪いものです。
水はけの悪い田んぼの一番の問題は、今は何事も機械なので、収穫時に刈り取り機械を入れにくく、ときには刈りどきが来ても刈れず、そのうち稲が倒れてお米が水に浸かり、だめになったりすることです。
そこで暗渠をつくることになります。
竹を入れて水はけをよくしようとするところは、伝統的な暗渠のつくり方と言えますが、もちろん手で掘ったりしないで重機を使っています。
化学肥料を使えば土が締まります。農薬を使えば生物がいなくなって土に団粒構造がなくなり、堅くなります。田植え機や刈り取り機などの重い機械を入れれば柔らかい土がつぶれます。
その全部をやっているわけですから、せっかく暗渠をつくっても、その効果は長続きしません。
かつては、山の落ち葉をさらって、田んぼに入れるのが農閑期の仕事でしたが、今ではそんなことをする人はいません。
ただ、わずかにコンバインが刻んだ稲わらが有機物として、田んぼに残るだけですが、これでは足りないのでしょう。
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