2017年2月13日月曜日

アイヌの衣装

日曜日に、茨城県立歴史館で、アイヌの衣装や持ちもの展、「イカ、アイヌ刺繍の世界」を観てきました。

木村家蔵
 
常陸国(現茨城県)の木村謙次が江戸末期に収集した、アットゥは、現存する最古のアットゥと考えられています。
そのアットゥをはじめとして、北海道、樺太、千島だけでなく、シベリアなどの衣装がたくさん見られる、とても充実した、よい企画展でした。

市立函館博物館

アイヌの衣装の内、オヒョウ、ハルニレ、シナノキなど、木の内皮繊維からつくった糸で織った布でつくった衣装をアットゥと呼びます。
アットゥはアイヌの衣装の代表的なものですが、ほかにも、エゾイラクサ、ムカゴイラクサなどから糸がつくられ、布が織られてきました。
布は織りあげたあと、縫ってから交易で得た木綿や絹をアップリケし、さらに刺繍をして仕上げてあります。
普段着と晴れ着、男性用と女性用に、アップリケや刺繍で差をつけている地域もあれば、そう変わらない地域もあるようです。 

北海道大学植物園
  
中には、アップリケをしないで、刺繍しただけのものもありました。

北海道博物館

また、自分たちで織った布だけではなく、交易で得た木綿を仕立てて刺繍したものもあります。

北海道大学植物園

木綿も、無地だけでなく、絣などを利用したものもありました。

個人蔵

アットゥを織った織り機です。
筬はなくて、刀杼(とうじょ=緯打具(よこうちぐ)ともいう)を使っているのがわかります。

『製作工程の考古学』大田区郷土博物館1998年より

織り機は、このようにして使いました。

 
実は、その前日の土曜日に、『からむしと麻』という、民族文化映像研究所が1988年に制作した映画の上映会に行ってきたばかりでした。
それは、福島県昭和村の人々が、からむし(苧麻)や麻(大麻)を育てそれから繊維を取り出し、たくさんの工程を経て柔らかくし、細く裂いてつなぎ、撚りをかけて糸にして、それを整経し、機にかけて織りあげる、気の遠くなるような工程を追った映画でした。 

からむしはイラクサの一種です。
アイヌの人たちも、こうやって木や草の繊維を糸にしていたのでしょう。
地道な繰り返し作業ですが、その中に季節ごとの仕事があります。長い工程を経て、りっぱに出来上がった時の達成感はいかばかりだったか、それに思いを馳せてわくわくした、週末の二日間でした。 
 
北海道大学植物園
「イカ、アイヌ刺繍の世界」は、3月20日まで開催されています。



 



6 件のコメント:

  1. 千住姐さんよりコメントが来ています。
    ご利用ください。

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  2. 昭ちゃん
    ばるたんさんとお助け2号さんと間違えてしまいました。
    昭ちゃんのお友達はみんな〇〇姐さん、私も春姐さんにしますかね(笑)。

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  3. 春姐さんにしましょー
    炭鉱では年は関係なく姐さんと呼びました。
    「異人たちとの夏」でも鶴太郎さんが
    今半の仲居さんをこう呼びますね。
     呼び方好きです。

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  4. 昭ちゃん
    あっはっは、春姐さんになっちゃった!
    姐さんデビューです(^^♪

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  5. 春姐さん
    小学校時代隣に一級上の姉さんがいて良く遊びました。
    同窓会で上京時東中野にいるのが判明
    60年ぶりに再会しちゃきちゃきの江戸っ子弁を堪能しました。
    旦那を呼ぶときは「チョットお前さん」ですから痺れるなー
     兄弟は戦死私が弟のように、、、
    姐さん一号ですが一昨年鬼籍に振り向けば一人の心境です。

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  6. 昭ちゃん
    江戸っ子ではなくても、昔はちゃきちゃきしている姐さんがたくさんいましたね。母の叔母もちゃきちゃきした人で、80過ぎても高下駄を履いて走っていました。
    母の叔母は長くお茶の先生をしていましたが、母が結婚する時の着物選びはぜんぶこの叔母だったと聞いています。おかげで、戦時中だったというのに、味のある小千谷縮など残っていて、世代を超えて楽しませてもらっています。

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