島根県出雲町のジョーキです。
江戸時代から、日本全国で精霊流しが盛んに行われるようになりました。
お盆の間、家族のもとを訪ねて来ていたご先祖さまたちは、藁の舟、イグサの舟などに乗って、お盆最後の日に、あの世に帰って行かれました。
ところが、出雲大社地方には適当な川がなかったため、舟を川に流せません。そのため、小さな車をつけた屋形船や千石船など、思い思いの紙貼りの舟をつくり、ローソクを入れて灯りをともし、七夕から盆にかけて、子どもたちが曳いて歩きました。
ジョーキとは蒸気船のことですが、この地方では、明治の中頃、大型の船のことをすべてジョーキと呼びました。
この玩具も屋形船の形をしていますが、ジョーキと呼ばれています。
ジョーキは竹と木で骨組みをつくり、丈夫な八雲紙を貼って彩色してあります。
鯛車とジョーキは出雲大社の夏の風物でした。
鯛車やジョーキは、最初はどこの家庭でも手づくりしていましたが、やがて、大社の門前町にある「高橋屋」がつくって売るようになりました。
絵つけは、温めたロウで模様を線描きして、その上から絵の具で彩色するという方法がとられていて、灯を入れたときに模様が美しく映えます。
屋形船の後部の、簾のように垂らした紙を持ち上げて、ろうそくに灯をともします。
すると、屋形の内側に人形(ひとがた)の切り抜きが貼られているので、屋形の中で船遊びを楽しむ人の踊る姿が、浮かび上がります。
昔の子どもたちの遊びは、大胆かつ、優雅でした。
精霊流しは、倉敷の祖母の家では、みんなが舟を持ってきて、吉岡川という汐入川に流していましたが、1970年代、祖母がまだ存命中から、川を汚すからと、小学校の校庭に集めて燃すようになっていました。
青森のねぶたも、戦後、精霊流しが変化したものだそうです。
そろそろお盆がやってきます。
確かに、非常に優雅な行事ですね…。人形が浮き出る細工とか、凝ったつくりで。
返信削除ろうそくの火は燃え移らなかったのでしょうか?お盆の終わりに毎年それを燃やしていたのでしょうか?(ちょっともったいない…。)
それから、またしても本題でないところに目が行って(^^;)、ジョーキが乗っている立派な箪笥…浮彫のリスやビワのような果物…、バリ島あたりの箪笥でしょうか?
姐さんジョーキと言うと男の子だから
返信削除産業革命と外輪船にいってしまうなー
母が亡くなった昭和32年には砂袋で安定させ川に流しましたが
今では河川敷で焼却です。
漂着する「西方丸」もまるでデコトラですよ。
Emmaちゃんは「西方丸」を飾っています
感覚の相違ですね。
karatさん
返信削除ろうそくを灯すときは冷や冷やしますが、案外大丈夫です。でも、子どもたちが引いて遊んだといっても、当時は舗装もされていないでこぼこ道だから、すぐ倒れて燃えたりしたかもしれませんね。(舗装率は1963年、オリンピック前年で、国道39.9%、都道府県道9.8%、市町村道2%)
先日テレビでねぶたを間近に見ましたが、すごい細工!それを毎年燃やしてしまうのはもったいないと思いましたが、燃やしてしまうから、さらに大切なものになるのかもしれません。あれも、精霊流しのお細工をつくったその延長なのだから、かつては、みんなすばらしい手を持っていたのでしょう。
比較するのもなんですが、インドのお祭りで、土でつくった等身大よりちょっと小さめの神様たちを、お祭りが終わって川に放り込むのに比べれば、紙はもっとさっぱりしているような気がします。インドの神様たちは半分泥水に浸かって、しばらくの間恨めしそうに(笑)残っていて、目が合うとぞっとします。
戸棚は、バンコクに住んでいたころ、近くのお店で買ったものです。ガラスにレリーフをかぶせたつくり、棚の形は上が狭くなっているタイ・スタイルですが、雰囲気は中国っぽいでしょうか。店主はヴェトナム人の方でしたが、ヴェトナム人といっても中国系かもしれない。
バンコクの商店主や起業家はほぼ全部中国系ですが(インド人もいる)、マレーシアなどと違って、みんな「タイ人」としての強いアイデンティティーを持っています。木彫りは、インド、バリ、カンボジアといった、ヒンドゥーの影響が見られるところが優れていますが、タイはどうでしょう。その昔から、タイの木工職人はカンボジア系、ランナー系、中国系とかあったのかもしれません。
余談ですが、イスラム教徒の多いバングラデシュで、タンスや棚など木工をしている村は、間違いなくヒンドゥー教徒の村でした。
昭ちゃん
返信削除漂着する西方丸とは、海の浜への漂着のことですか?海があれば、今でも流せるのですね。
デコトラとはなにか、一瞬考えてしまいました。デコレーショントラックのことですね。
Emmaちゃんが飾っているという西方丸、私のジョーキも似たようなものです(笑)。今日、直売所に行ったら、お盆用品をいっぱい売っていて、でもお供えのお菓子は色が毒々しすぎるし、「子どもちょうちん」は、模様がプリントだし、金きら金の造花はやけに高いしで、何も買いませんでした。
私もEmmaちゃん(って、誰?)ご同様、ご先祖様をお迎えするためでなく、ただ飾りものに興味津々なのと、久しぶりにあの落雁みたいな固めたお菓子を食べてみたくなったからだけでした(笑)。
姐さんEmmaちゃんはイギリス生まれのメル友で
返信削除鎌倉にいました。
同窓会で上京すると江の島でビーチコーミングを一緒に
そんな仲でした。
初対面の時から「昭ちゃーん」でした。
昭ちゃん
返信削除あはは、外国人でしたか。そりゃぁ、喜んで賑やかな西方丸は飾りますね。
私も、香港とかカンボジアで、中国人が死んだ人に持たせる、ありとあらゆる「この世のイミテーション」、家とかペットとか家具とかお金なんか、ついつい面白いと思って買って、飾ってしまいますもの(笑)。カラフルですし。
そういえば、大きくてもろいので壊れてしまいましたが、竹ひごでつくったカンボジアのお盆のランタンも面白かったです。
隠岐の舟、素晴らしいですね。ていうか、可愛いですね。いつも興味深い記事楽しみです。
返信削除バスケタルさん
返信削除コメントありがとうございます。最近、「籠」の話題が少なくてすみません(笑)。籠は場所を取るので、最近は、骨董市で素敵な籠を見つけても、見て見ぬふりをしています。
バスケタルさんのブログも、楽しく拝見しています。籠と関係ないけれど、「物干し」の記事が面白くて、いつか、12角形の物干し、挑戦してみたいと思っています。でも、籠同様、畳めるといっても邪魔っけですよね(笑)。