2017年10月30日月曜日

かわいい文化大革命

神戸芸術工科大学の展示室には、造形を選択している大学院生たちの、作品が展示されていました。学部を卒業しているとはいえ、入学半年目の作品なのにどれも、なかなかレベルが高く、分野も多岐にわたっていて、面白いものでした。
それを見て、展示室から玄関ホールに出ると、ホールのパネルに貼ってあった写真から何か視線を感じました。見ると、人民服を着た子どもたちの写真が10枚ほどありました。

パネルは、天井が高いホールに中途半端に立ててあり、しかも逆光でパネルの後ろが明るく、写真には上からの照明が反射していて、必ずしも見やすくなかったのですが、見入ってしまいました。
谷久文さん(中国の方)の組み写真、「文化大革命」でした。


どの子も底抜けに明るい顔をしていますが、よく見ると、モデルはたった一人の男の子でした。


Sさんにたずねると、谷さんはここで教師をなさっている方で、学生たちの展示があるなら、自分も展示したいと、貼ったのだそうです。
 

この写真の魅力は、アイデアもさることながら、モデルの男の子のかわいさです。
文化大革命という、シリアスなものを明るく笑い飛ばす面白さ。


キリストの最後の晩餐のパロディーもあれば、


おまるを使って、大小便をしている子どもがいるなど、見れば見るほど愉快な気分になります。


どこをとっても同じ顔と言えば、人物のすべてが自画像の、石田徹也の絵を思い出してしまいます。
石田徹也の自画像は無表情で暗く、文化大革命というテーマも、笑うようなものではないにもかかわらず、どちらも、どことなくユーモラスな気分にさせてくれます。


かわいいなぁ、面白いなぁで、楽しいひとときを過ごしました。





8 件のコメント:

  1.  きゃはー!!! 思わず笑ってしまうタイトルです。
    昭和40年代を、、、、
    延安からの東征に伴ういろいろな出来事を思い出しました。

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  2. 昭ちゃん
    この子、可愛いでしょう?最初見たとき、たくさんでお芝居でもしているのかと思ったら、みんなおんなじ、笑っちゃいました。
    でも、文化大革命は笑いごとどころではなかったですね。郷土玩具のコレクターだった人は、「軟弱者め」と言われて、貴重な文化遺産を、すべて叩き壊されたそうです。そんな時代に来て欲しくないですね。生きていることは、遊びでもあるのですから。

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  3. 御意  京劇でもそうでしょ
    「語録」の内容が知りたいバイ。


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  4. 昭ちゃん
    そうそう、京劇も迫害されましたね。
    京劇役者のおじいちゃんと孫を描いた中国映画、「心の香り」を思い出します。
    語録の内容、発表されてなかったっけ?

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  5. 姐さん話が続きますがチョット名前を忘れたので、、、
    ソ連の農業組織「コルホーズ」に似た農業の軍隊組織の名称は
    なんでしたかねー
    結局は自由市場がないとね。

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  6. 昭ちゃん
    軍隊は何というか知りません。コルホーズに似たものならソフホーズ(ソホーズ)で、農場だけど働いているのは農民ではなくて労働者でした。
    戦後、どうしてあんなにロシア民謡が流行ったのか、不思議ですね。

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  7.  あの時代の風潮が憧れた?のかな、
    唄声喫茶や労働歌にも。
    「カリンカ・一週間」など今でも好きですよ。

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  8. 昭ちゃん
    でしたねぇ。教科書にもいっぱい載っていました。アムール川のさざ波というのかしら、学校の文化祭で、クラス合唱したこともあります。
    一週間とかもときおり口ずさみますが、カリンカは金融関係でしたっけ、コマーシャルで「か・借りん、か・借りん」というのがあったので、そっちの印象の方が強くなってしまいました(笑)。

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