2017年12月3日日曜日

民具あれこれ


無印良品が「ずっといい言葉と。」というコンセプトのもと、本を数冊出版しています。
そのうちの一冊は、柳宗悦(1889-1961)の本です。
目次は、民藝、雑器の美、用と美、工藝的なるもの、藍絵の猪口の五章からなり、当時は誰も注目していなかった実用品の美を熱く語っています。

柳家の食卓

中に、柳宗悦自身の写真や、愛用品、そして収集し、現在は日本民藝館の所蔵品となっている品々の写真などが、二十数葉掲載されています。
その写真の中に、猪口やら手帚などを除いて、我が家にあるものと似たものが二つありました。


一つは、尾花帽子(山形県、東田川郡)です。
解説には、
「山鳥の羽の装飾が目を引くマタギの衣装。柳は、「見ても美しいが、冠った様は一段と立派である」と評した。日本の民具において使い手の多くはまた作り手だった」
とあります。
いろいろな模様編みに加え、山鳥の羽は美しい装飾になると同時に、水をよくはじいたことでしょう。


私の持っている帽子は、よく似ているけれど、少し違うようにも見えます。
地域の違いもあるだろうし、つくり手が使い手、誰の帽子も少しずつ違っていたのでしょう。


そして、もう一つは淦取(あかとり、沖縄県糸満)です。
解説には、
「漁師町糸満の木工品。淦取は漁師が船内の水を掻き出すのに用いる道具。丁寧な刳りが美しく、柳は宝物を得たように大事に沖縄から持ち帰った」
とあり、わくわく感が伝わってきます。
この淦取(淦汲み)は、私の持っている淦汲みをUPしたときに紹介した、糸満海人工房資料館所蔵のユートゥイ(アカトゥイ)とそっくりです。
沖縄の、糸満以外では、別の形の淦汲みが刳られていたのでしょうか?知りたいものです。


木を刳り抜いた淦汲みはもちろん美しいけれど、板でつくった淦汲みも、とても美しいと思います。






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