先日見たラオス紹介の本には、知っているもの知らないもの、なかなか興味深い写真がいくつもありました。
その中で知らなかったもの、この色がついたライスペーパーは、何に使うのでしょう?
竹で編んだお膳の上に敷くものでした。
仏縁日に、各家庭でつくった料理をお寺に持ち寄り、小皿に分けて並べ、お坊さまに食事を差し上げたあとに、自分たちが食べる食事を用意しているところですが、その一つ一つに彩色したライスペーパーを広げています。
お膳の上にはレンゲやスプーンが見えますが、その数がお膳を囲む人数です。輪になってお膳を囲んだ人たちはこれとは別に、ご飯を盛ったお皿を各自もらって床に置き、それにお膳の上のおかずを少しずつ乗せていただきます。
おかずはたぶん、ラープやスプノーマイなどどれも辛いので、一つのお膳で5人ずつとして、この写真の食事だけで150人も食べられるというわけです。
タイやカンボジアの場合には、このように食事をいただくときは、床に茣蓙を敷いて、その上に琺瑯のお盆を置いたり、またはお皿を直接茣蓙の上に置いたりするだけで、お膳は使いません。
さて大人数の食事会、日本だととてもこうはいきません。
日本では、ご飯と酒の肴を分けて考えることもあって、6人前用意するのと20人前用意するのでは、準備の手間が全く違ってきます。
それに比べると、何人集まってもまかないが簡単なタイ、ラオス、カンボジアがうらやましい限りです。ご飯さえ余分に炊けば、飛び入りで食客が5人や10人増えても、まったく動じません。
タイでは一家庭の米の消費量が高いと言われますが、彼らはそうやって、来るかもしれない人の分まで毎日ご飯を炊いているのです。そして誰かが来たら、まずご飯は食べたかどうか訊き、食べろと勧めます。
もし、夜になってもご飯が余ったらどうするかって?余ったら犬や猫がやっと食べもの(ただの白飯)にありつけますが、犬猫は餌にありつけない日も多いので、いつもうろうろと餌を探しています。
手持ちの紙焼き写真から仏縁日の写真を探し出すのは面倒なので、過去にUPした写真の中にないかしらと探したら、カンボジアのお寺の写真が見つかりましたが、食事が全く移っていませんでした。
しかも、白い服の女性ばかりで、まるで制服の女学生が集まっているように見えますが、カンボジアの老齢の女性は、お連れ合いがなくなると、剃髪して白い服しか身に着けない在家出家をする人が数多くいます。そんな女性たちの集まりです。
ラオスやビルマの女性は、年老いても長い髪を髷にまとめて、とくにビルマの女性は朝、採れたての生花を髪にさして優雅ですが、カンボジアの老いた女性は、10人集まると9人はくりくり坊主で、しかも歯が全部抜けている人も多く、色香も何もあったものではありません。