2018年2月23日金曜日

脚太さちこさん

骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんと、このごろ話すことといえば、ビー玉の話でもなければ、ガラスビンの話でもない、犬の病気の話ばかりです。
前は、顔を見るなり、
「このビンどう?500円」
などと言っていたのに、最近は、
「血糖値がやっと200以下に下がったよ!」
とか、
「すっかり痩せちゃったよ」
と、三歳の時に椎間板ヘルニアを患って半身不随になった七歳(八歳?)のミニチュアダックスのミルキーの話からはじまります。
「痩せちゃったって、何キロになったの?」
「5.7キロ」
「なんだ、ちょうどいいじゃない。いままでが太りすぎだったのよ」
などなど、延々ミルキーの話が続きます。
その間、お客さんもちらほら、トリスのおじさんのついたショットグラス、トリスのおじさんの頭がパカッと開く楊枝入れ、ボンナイフなどが売れていきます。
さわださんは、
「200円」
などと短く応対して、すぐミルキーの話に戻ります。

手ぶらでサヨナラするわけにもいきません。まだ売れ残っていたぬり絵を一ついただきました。


袋の裏表です。
作者はさちこさん、初めて聞く名前です。


当時、「袋貼り」は内職の代名詞でした。封筒、薬袋、焼きいもを包む新聞紙の袋などなど、紙袋はほとんど家庭の内職によって貼られていました。
この袋、かなり安くつくられたもの、角があっていません。


さて、絵はぬり絵がもてはやされていたころの、よくある絵ですが、


脚が太い!
当時は、ぬり絵でも、布の人形でも、脚が異常に太いのが特徴ですが、それにしても太すぎます。


脚太比べがあれば、確実に入賞する太さです。


いくらなんでも、こんな太い脚は持て余してしまいそうです。


作者のさちこさんはどんな人かと、ネットで調べてみたら、一つだけ、古本屋さんのインスタグラムの中にさちこのぬり絵の写真がありました。
袋は全然違って、中原淳一風ですが、中身は、まったく同じぬり絵でした。






4 件のコメント:

  1. 中のぬりえの絵の顎の形とか目つきとか細かい線描とか、昔の童話の初山滋の挿絵を思い出しました。塗り絵にしては線描が細かいですよね…。特に上の方の絵。もちろん初山滋の絵はもっと手足が細く、独特の雰囲気がありました(^^)。子供心になんとも不思議な絵だったのを覚えています。初山滋という名前はずっと大人になってから知りましたが。
    そういえば、家に脚の太い布の抱き人形があったのも思い出しました。

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  2. karatさん
    初山滋と武井武雄は、母が好きな絵描きさんたちでした。小さいころは正直、「どうしてこんな絵が母は好きなんだろう」と思っていましたが、大きくなってから好きになりました。
    明るいことは多くはなかった時代だったのに、二人とも思いっきり自分の世界を展開していましたね。
    私自身は息子たちが小さいころ、瀬川康男が好きでした。息子たちも大きくなったら好きになるだろうと思っていたのに、十分大きくなったのに(笑)、「いいね」と言った話は聞いたことがありません(爆)。
    とくに『ことばあそびうた』とか『犬棒かるた』は、今でも宝物にしています。

    確かにあの脚の太さは、抱き人形の文化人形から来ているのかもしれませんね。

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  3. あー、武井武雄…。子供の頃古い犬棒かるたが家にあって、それが武井武雄の絵でした。やはり子供心に変な絵…と思っていましたが、それでよく遊びました。今本屋に並んでいる犬棒かるたはどうも好きになれずに武井武雄で探したら、復刻版で出てましたが、高い…。その古い犬棒かるたの一枚の裏に母の妹の名前が書いてあったのを思い出して、母の時代のかるたなんだなあと思っていました。初山滋は確か小川未明の童話の挿絵で、赤い蝋燭と人魚とか、なんとなく不気味な話の内容と合わせて子供心に染み付いています。
     瀬川康男、家の子供たちが小さい頃の古い絵本をだしてみたら、出るわ出るわ(笑)…言葉あそびうたとか、虫のわらべうた、おおさむこさむ、ふたり…私が好きだったようです(^^)。

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  4. karatさん
    私も武井武雄の復刻版かるた、買おうかどうか、数年前に何度も迷いました。確か二種類ありましたね。訊いたことがなかったけれど、私の母ももしかしたら子どものときから武井武雄に親しんでいたのかもしれないです。
    karatさんも瀬川康男好きだったんですね(^^♪
    瀬川さんは年を取るほど大胆になっちゃって、もう自由自在です。

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